PremierからMain Stageへ ― VCJ 2026 Split 1、躍進の3チームを解説

2月2日から4日にかけて行われたVCJ 2026 Split 1 Advance Stage。
本ステージでは、Main Stage進出を懸けて数多くのチームが激突しました。
その結果、Main Stageへと駒を進めたのは以下の6チームです。
QT DIG∞
WEC C
Crest Gaming Zst
AGELITE
MURASH GAMING
INSOMNIA
このうち、QT DIG∞、Crest Gaming Zst、MURASH GAMINGはいずれもVCJ常連のチームです。
一方で、WEC C、AGELITE、INSOMNIAの3チームは、前年シーズンの実績によるシードを持たず、Advance Stage進出が確定していない状態からのスタートでした。これらのチームは、Premierを勝ち上がって本大会へと進出してきたチームとなります。
本記事では、これらPremier上がりの3チームにフォーカスし、それぞれの特徴や強みを紹介していきます。
WEC Cは、メンバー全員が学生という、VCJでも前例のない存在です。
Advance StageではGroup Aに割り振られ、同グループにはBC SWELLをはじめとしたプロチームも名を連ねていました。しかしWECは最終的にQT DIG∞に次ぐグループ2位でフィニッシュ。見事Main Stage進出を決めました。
Cazkla
ネオン専任のプレイヤーで、すべてのマップでネオンをピックしています。
distinct
クローヴ専任のプレイヤーで、こちらも全マップでクローヴを使用しています。
jinbei
スカイ、ヨル、ヴァイパー、オーメンを使用。フレックスプレイヤー。
RONY
セージ、フェイド、スカイを使用しています。
tarkun
チェンバー、キルジョイ、サイファーを使用。センチネルを担当。
特に注目すべきは、Cazkla選手とdistinct選手でしょう。
ネオン専門、クローヴ専門という非常に尖った構成で、どのマップでも攻撃的な編成になるのが特徴です。そこにチェンバーを加えることで、ネオン×クローヴ×チェンバーという、まるでランクマッチのような構成になることもあります。
WEC Cは、個人技だけでなくマクロ面の完成度にも注目が集まっています。
ネット上では「揺さぶりが非常に上手い」という評価も見られ、学生チームとは思えない冷静な試合運びを見せています。
その知的なプレイスタイルは、まさに早稲田大学らしいチームと言えるかもしれません。
なお、現在WEC Cは母体となるチームや企業を募集中とのことです。Main Stageではチーム名やロゴが変わる可能性もありますが、メンバー自体は変わらないと見られます。
新たなステージに挑む彼らの活躍に、引き続き注目です。
また、WEC Cの公式Xは、学生チームならではの独特な空気感があり、思わずクスッとしてしまう投稿も多く見られます。
母体が変わったあとも、この自由で少し緩い雰囲気は残るのでしょうか。競技面だけでなく、SNSの行方にも注目してしまいそうです。
GAME DAY pic.twitter.com/h8CmETqX7n
— WEC C (@weccforever) February 4, 2026
AGELITEは、2021年に設立された日本のプロeスポーツチームです。
当初はRocket League部門として活動を開始し、日本トップレベルの戦績を残してきました。2025年には新たな運営体制のもとで再始動し、現在はVALORANT部門を中心に競技シーンへ本格参入しています。
Advance StageではGroup Bに割り振られました。同グループにはIGZISTやDelightといった強豪チームが名を連ね、「魔のグループ」とも呼ばれていましたが、AGELITEはその中で安定した戦いを見せ、グループ2位でのフィニッシュを果たしました。
Allen
オーメン、アストラを使用するコントローラーです。
Banger
ヨルを主に使用し、スプリットではセージをピックしています。
Jan
ソーヴァとテホを使用するイニシエーターで、索敵とサポートを担います。
Sayu
ネオンとウェイレイを使用するデュエリストです。
Yamada
キルジョイを主に使用しつつ、アストラ、ヴァイパー、さらにはフェニックスまで使いこなす柔軟なピックが特徴です。
特に注目すべき存在は、Sayu選手でしょう。
他の4名はいずれも昨シーズンにプロチームへ所属し、競技シーンでの経験を積んできた選手たちですが、Sayu選手は公式大会に初参戦となるルーキーです。
FENNEL所属のアナリスト・Nolozy氏がXに投稿した「【直接聞いた】アドバンスステージ 注目若手5選【JP HOPE】」でも、その名が挙げられていました。
DFM Shets
俺と昔から一緒にいて、めっちゃ賢いしアホなプレイができる。フィジカルが強くて感覚的にプレイするときと直感的にプレイするときの塩梅が上手い。 コールしてくれるからコミュニケーションエラーがない。この年代(18歳くらい)で一番”VALORANT”が上手い。こいつがいるだけで試合終わる。
FL sieg
Delight Academyのときにメインチームに上げようとしてた。キャラコンめっちゃ上手い。めっちゃ喋るし。勝ちたい意識が高い。
mimi
sayuは足速い。リアルじゃなくてゲーム内の足が速い。一瞬で入れるエリアに入るからデュエとしての才能がすごい。天才感がある。目を見て話してくれるタイプ。
— FENNEL nolozy (@nolozy) February 1, 2026
ルーキーのデュエリストを軸に、競技経験豊富な4人が脇を固めるAGELITE。
経験と若さが高い次元で噛み合ったチームとして、Main Stageでは日本の頂点を狙います。
Advance Stageを突破した勢いを、そのまま本戦でも発揮できるか。
Main StageでのAGELITEの戦いに注目です。
INSOMNIAは、墨田区およびiU情報経営イノベーション大学と連携し、オフラインにもファンベースを持つeスポーツチームです。
今回紹介する3チームの中では、INSOMNIAだけは「名前を聞いたことがある」という方も多いのではないでしょうか。
INSOMNIAは、2024年シーズンのVCJ Split 1までVALORANT部門を運営していましたが、その後一度VALORANT競技シーンからは離れていました。
しかし今大会より、再び競技シーンへ復帰することを発表しています。
なお、2021年には現在Paper Rexに所属し、世界一のタイトルを獲得したsomething選手が在籍していたチームとしても知られています。
今回のAdvance Stageに出場したロスターは、Premierでは「Chatasap Gaming」として活動していたチームです。Premierを勝ち上がった後、チーム名をINSOMNIAへと変更し、Advance Stageへ臨みました。
Advance StageではGroup Cに割り振られました。同グループにはSCARZ、MURASH GAMINGといったVCJ常連の強豪チームが在籍しており、厳しい戦いが予想されていました。
その中でINSOMNIAは3勝1敗という成績を残します。SCARZとマップ取得数で並び、わずか2ラウンド差という僅差でグループ2位に滑り込み、Main Stage進出を決めました。
Karaage
主にヨルを使用し、バインドではテホをピックしています。
Ady
オーメン、アストラを中心に使用するコントローラーです。
さとぅーし
ウェイレイを筆頭に、メインデュエリストを担当しています。
Flora
健康上の理由によりロスターを離れることになったKailyに代わり加入。直近はBC SWELLでFlexとして活動。
MeatPieN
ヴァイパー、キルジョイ、ヴィトーなどを使用しています。
INSOMNIAのメンバーは、Karaage選手が18歳、Ady選手、さとぅーし選手、kaily選手が19歳、MeatPieN選手が22歳と、非常に若い選手で構成されたチームです。
全員がルーキーという点も、大きな特徴と言えるでしょう。
中でも注目したいのが、MeatPieN選手です。
REJECT所属時代はコントローラーの印象が強い選手でしたが、今大会ではラークを担うエージェントへとロールを変更しています。
それでもSCARZ戦ではレーティング1.59、ACS366という圧巻のパフォーマンスを披露し、新たな役割でも高い適性を見せました。
メンバーのほとんどがルーキーというチーム構成は、現在VCT Pacificで猛威を振るっているNongshim RedForceを彷彿とさせます。
勢いと爆発力を武器に、INSOMNIAはMain Stageでどのような戦いを見せてくれるのでしょうか。
Advance Stageが終了し、各チームはいよいよMain Stageに向けた調整と練習へと入ります。
Main Stageの開催時期は現時点では未定ですが、2026年シーズンからはPhase 1、Phase 2の2段階構成となっています。ダブルエリミネーション方式が採用されており、一度敗北しても、そこですべてが終わるわけではありません。
また、Split 1の上位4チームにはSplit 2への進出権が与えられます。
Main Stageは単なる通過点ではなく、今後のシーズンを左右する重要な戦いとなります。
Premier、そしてAdvance Stageを勝ち抜いたチームは、この大舞台でどこまで食い込めるのか。
常連チームが待ち構えるMain Stageで、新たな物語が生まれる瞬間を見逃せません。
なる
24歳のライター。推しのVALORANTプロ選手はkaajakとsato。
ArcaneやChampionsスキンなどの限定スキンに弱く、すぐに課金してしまう癖がある。