VCT EMEA Stage1で躍進する「FUT」と「Eternal Fire」──常連勢を退けて活躍する2チームの構造とは

4月1日に開幕したVCT EMEA Stage 1は、4月26日時点で順位表に異変を残したまま最終週を迎えようとしています。Group Alphaの首位はFUT Esports(FUT)、Group OmegaトップはFnatic(FNC)、次いでEternal Fire(EF)が2位につけており、Team Heretics(TH)やTeam Liquid(TL)といった常連以外のチームが上位に並んでいるこの構図は、ここ数シーズンのEMEAでは見慣れないものです。
FUTは2026 EMEA Kickoffを11-12位で終え、Masters Santiago出場権を逃しました。さらに、長年のエースであったcNedの契約が満了、ヘッドコーチJohntaの解任と続き、FUTは過渡期に入ります。
Stage 1直前の3月末にコーチとしてVladを迎え、s0pp、sociablEEを補強して新たな体制へと移行しました。通常、新たなロスターが連携面で短期に成果を出すことは難しいとされています。しかしながら、Stage 1の初週から勝利を重ね、Gentle Mates、Natus Vincere、Team Liquid、Karmine Corpを下して最速でのプレイオフ進出を確定させました。

ここから読み取れるのは、FUTの改革が「コーチの交代」と「ロスター補強」のいずれか単独ではなく、両方が同時に機能した稀有なケースであるという事実です。大幅なロスター変更は「賭け」と見なされることもありますが、この点においてFUTは大きな成果を収めました。
もう一方のGroup Omegaでは、EFが2位に位置しています。
3月20日、Riot GamesはULF Esportsの除外を発表し、代替枠として急遽昇格したのがEFでした。同チームは、ULFのAscension優勝メンバー4名(audaz、Favian、echo、nekky)を引き継ぎ、元来のEF所属だったlzzyを加えた5人体制で参戦することになります。
リーグ参入決定の発表から初戦のFNC戦まで、準備期間はわずか12日間しかありませんでしたが、FNCに敗れこそしたものの1マップをもぎ取り、続くBBL Esports戦、PCIFIC Esports戦、Vitality戦を連勝しグループ2位の座を獲得しました。

似たようなケースとして、PacificリーグのFull Sense(FS)が挙げられます。FSはリーグから除外されたTALON Esportsに代わり参戦が発表されたチームで、TALONの全メンバーを引き継ぎ(Crwsはコーチへの移行を発表したもののStage 1より選手復帰)、Leviathanを加えたロスターで結果を残しています。
Stage 1グループステージは5月2日に終了します。残された日程の中で、特に注目度の高い試合をいくつか挙げます。
無敗のFUTと、現在3位のTHとの対戦。FUTは既にグループステージ通過が確定している状態である一方、THはこの一戦次第でプレイオフシード順が大きく動く可能性があります。2026年に入りその勢いに陰りが見え始めているTHですが、一矢報いることができるでしょうか。


プレイオフ進出が視野に入っている中、一刻も早く確定させたい2チームによる対決です。EFが勝利すれば、リーグ参入から6週間でプレイオフ進出という前例の少ない実績を残すことにもなります。
両者2-2で並ぶ中、こちらもプレイオフ進出枠を巡る直接対決が行われます。どちらのチームもMasters Santiagoに出場しており、EMEA屈指のハイレベルな戦いが予想されます。Gentle MatesはKickoff準優勝の勢いを再現できるか、Team LiquidはFUT戦敗北後の立て直しができるかが焦点となります。


ここまでFUTとEFの「変化」の側面に焦点を当ててきましたが、Stage 1の風景を正確に描くにはもう一つ書き加えるべき要素があります。FNCの存在です。
ロスターを刷新したチームが上位に浮上し、かつての常連勢の中でも序列が組み代わり、THやTLが伸び悩んでいる一方、FNCだけは初週から無敗を維持し、依然としてEMEAの絶対王者であり続けています。

新しい風が吹く時こそ、変わらない強さが試されます。Stage 1の最終週、そして来たるプレイオフに注目です。
黒瀬
猫となかよく