大会フォーマットに『賛』3日連続BO5のスケジュールに『否』─ Kickoffを盛り上げた『トリプルエリミネーション形式』をめぐる賛否両論

先日各地域ではKickoffが終了し様々なドラマが生まれました。2026年シーズン最初の大会ということもあり、始めは多くのチームも調整が完璧では無かったものの、スケジュールが進むにつれて調整が進み完成度が高まって行く様子が見られました。
日本のDFMも第2戦のRex Regum Qeon戦では敗北しながらも、Gen.GやGlobal Esports、FULL SENSEに勝利し、勝利の感触を掴みながら成長して行く様子が見られました。

ZETAも同様に初戦のFULL SENSE戦は完敗したものの、第3戦のTeam Sceret戦に勝利し、最終戦となったDRX戦では惜しくも敗れましたが成長が見て取れました。

このような成長物語を生んだ要因の1つとしてKickoffで採用された「トリプルエリミネーション形式」の影響が大きいと考えられます。
従来の「ダブルエリミネーション形式」と比較して「トリプルエリミネーション形式」ではチャンスを1回多く持つことができるため、プレッシャーなどの負担軽減や敗北によって得られるフィードバックを次戦に活かす機会の増加が期待できます。
しかし、素晴らしいフォーマットだと称賛される一方で、最終週の3日連続BO5には問題視する声も少なくありません。実際にPacificのRRQとAmericasのMIBRは3日連続のBO5で3連敗し、目前に控えたMasters Santiago進出の権利を逃す形となりました。
Kickoff終了後、X上ではM80でヘッドコーチを務めるNiSMOコーチのポストに対するVALORANTのGlobal Headを務めるLeo Faria氏の返答が話題となりました。
NiSMO:Kickoffのフォーマットは信じられないほど素晴らしかった。試合数を増やしてくれたRiotに感謝します。ただ、Masters Santiagoへの進出がかかった試合は違う形にするべきだったと思う…MIBRの3日連続でのBO5はクレイジーだ。
Leo Faria:プレイヤーにとってこれが厳しいことだと理解していますが視聴者にとっては素晴らしいことです。視聴者はハイステークスな試合を観ることで素晴らしい週末を過ごすことができます。プロスポーツを成功させるにはほとんどあらゆる状況で視聴者を最優先にしなければなりません。さらにいうと、BO5を3連続で戦うことになったのは前の2戦(FURIA戦とG2戦)のチャンスを活かせなかったからです。ポジティブな見方をすると従来のダブルエリミネーション形式では得られなかった3つ目のライフをMIBRは得ていたのです。
I know this can be challenging on players, but it’s great for viewers. They get a banger of a weekend with super high stakes games every day. Fans need to come first (in almost every circumstance) for a professional sport to be successful. Plus, if a team is playing three Bo5s in…
— Leo Faria (@lhfaria) February 15, 2026
この意見に対してX上では賛否両論を呼び、リプライや引用ポストで様々な意見が飛び交いました。以下に主な賛否の「賛同する意見」の意見と「否定的な意見」の意見をまとめました。
この盛り上がりには同意せざるを得ない。
BO5を連続で戦うというドラマが地域予選を楽しくしている。
このトリプルエリミネーションは完璧だ。
フォーマットは完璧だがスケジュールは改善する必要がある。全ての地域のBO5をみると2日連続で22時間視聴する必要がある。
フォーマットは素晴らしいが、選手とコーチの試合の準備に対する消耗が大きいと思う。
通常はアッパー側の方が有利だが、今回は連続して戦うアッパー側の方が特に不利だ。ただ、勝つことが解決策だとは思う。
まず大前提として、今回のトリプルエリミネーション形式のフォーマットに関しては大多数の視聴者が肯定的に捉えています。一方で最終週の3日連続のBO5に関しては、選手と視聴者両方のためにスケジュールの面で改善する必要があると考える人は少なくありません。
VALORANTのコンテンツクリエイターとして有名なSliggy氏はBO5期間中は連日12時間以上の配信を行っており、PacificでDFM対T1戦が行われた日の配信時間は驚異の22時間でした。
あまりの過密なスケジュールに、DFM対PRX戦後には仮眠を取るためT1対RRQ戦のライブでのウォッチパーティを断念しており、いくらSliggy氏といえども休息が必要な様子が見られました。
また、従来のダブルエリミネーション形式の決勝戦においてはアッパー側のチームには先に2マップBANする権利が与えられていましたが、今回のトリプルエリミネーション形式ではお互いに1マップずつBANし合う形式でした。今回なぜアッパー側に「2マップBAN」の権利が無かったのかは分かりませんが、これもアッパー側が不利になる要因だったと考えられます。
このことから以下の2点が改善として考えられます。
アッパー側の「2マップBAN」の権利
BO5戦のスケジュールの緩和
※少なくともローワー側よりも対戦相手の対策や準備の時間が多く取れるようなスケジュールである必要があると考えます。
2月18日にはPlat Chat VALORANTのYouTubeチャンネルでKickoffの振り返りが行われ、実際に今回のトリプルエリミネーション形式について議論がなされました。
Pacificでキャスターを務めるAchilios氏はトリプルエリミネーション形式について「明らかにもっと改善できる可能性はある」と前置きしつつも、会場費やスタッフのコストなどを考えると出来る限りのベストな形であり、始めのBO5に勝てば3連続で戦う必要はないので、残酷ではあるが公平に設計されているとしていました。
またSliggy氏は「フォーマットは素晴らしいがスケジュールはさらに良くすることが出来る」としており、「最終日のBO5のみが行われた日は良かったが3つのリージョンでBO3とBO5が同日に行われていた日は詰め込みすぎだったと思う」と発言していました。
さらにSliggy氏は、個人的な意見として、このような連続のBO5を戦い抜くためにはコーチングスタッフらが他のチームの試合を観察し、対策を早い段階で立てるべきであるとしていました。
進行を務めていたThinking Man's Valorant氏は議論の最後に「修正は必要である」としつつも、RiotはVCTのスケジュールを年々少しずつ改善していること・トリプルエリミネーション形式は良いフォーマットであること・Masters進出をかけて戦う試合はBO5であるべきだということの3点を改めて強調していました。
BO5を3日連続で行い、敗北し、敗退していく姿を見ることはとても辛い瞬間でした。敗者が去ることは勝負の世界の摂理ではあると思いますが、選手の負担や大会形式の公平性については改善の余地があると考えます。
一方で今回のKickoffで採用されたトリプルエリミネーション形式は大好評であったことは間違いないと思います。大会期間中に調整や構成の変化を加えながら完成度を高めていく姿を見ることは1人のファンとしてはとても楽しい瞬間でした。
ふぉかっちゃ
よろしくお願いします!好きな選手はSugarZ3ro 好きなチームはGen.Gです!