VCJ 2026 Split 1 Playoffs進出4チーム徹底分析 ── 長き戦いを制した4チーム、頂点への最終決戦へ

3月19日より開幕した「VCJ 2026 Split 1 Main Stage」は、国内トップチームが激突するハイレベルな戦いとなりました。本ステージでは、Phase1とPhase2の2段階に分けてダブルエリミネーショントーナメントが実施され、長期間にわたる激戦が繰り広げられました。
その結果、全10チームの中から勝ち上がり、4月15日より開催されるPlayoffsへ進出を決めたのは、以下の4チームです。
Crest Gaming Zst
QT DIG∞
FENNEL
INSOMNIA
いずれのチームも安定した実力と高い適応力を発揮し、厳しいトーナメントを勝ち抜いてきました。
本記事では、見事Playoffs進出を果たしたこれら4チームについて、ロスター構成やチームの特徴、戦術面など、さまざまな観点から詳しく分析していきます。それぞれの強みや注目ポイントを押さえながら、Playoffsでの戦いをより楽しむための参考としてお届けします。

Crest Gaming Zst(以下、CGZ)は、教育事業を展開するヒューマンアカデミー株式会社が運営するプロeスポーツチームです。
今大会のMain Stageでは、REJECT、FENNEL、QT DIG∞といった国内屈指の強豪チームを相手に3連勝を達成し、無敗のままPhase1アッパーブラケットからPlayoffs進出を決めました。安定感と爆発力を兼ね備えた戦いぶりで、その実力を強く印象付けています。
bazz
KEN
yutaro
Flicker
NOBITA
NeruFi(ヘッドコーチ)
CGZの最大の特徴は、Flicker選手をデュエリストに据えた、攻撃的かつ戦術的なスタイルです。
今大会のPhase1では、いわゆる「ヨルメタ」と呼ばれる環境の中で、多くのチームがヨルを軸とした戦術を採用していました。しかし、CGZはその流れに乗ることなく、一貫して独自の構成を貫いています。
Flicker選手が前線で積極的にキルを狙い、他のメンバーがそれを支える形で試合を組み立てているのが特徴です。チーム全体の連携力が高く、個々の役割が明確である点も強みといえるでしょう。
Phase2ではヨルが弱体化されたことにより、多くのチームが構成変更を余儀なくされましたが、もともとヨルに依存していなかったCGZは、その影響をほとんど受けていません。現在のメタにもスムーズに適応できている点は、Playoffsに向けた大きなアドバンテージとなるでしょう。
中でも注目したいのは、デュエリストとしてチームを牽引するFlicker選手です。
Flicker選手は韓国のTier1チーム・KIWOOM DRXからレンタル移籍で加入しており、18歳という若さながら高い個人技と判断力を兼ね備えています。昨年のオフシーズンにはEsports World Cup 2025に出場し、Americasの強豪Sentinelsと対戦するなど、すでに国際大会での経験も積んでいます。
その経験に裏打ちされた大胆なプレーは、試合の流れを一気に引き寄せる力を持っています。
もっとも、Flicker選手の活躍はチーム全体の支えがあってこそ成り立っています。他のメンバーによる的確なカバーやセットアップがあるからこそ、彼は最大限のパフォーマンスを発揮できています。
個の力とチーム力が高いレベルで融合している点こそが、現在のCGZの強さといえるでしょう。
QT DIG∞は、株式会社QTnetが運営するプロeスポーツチームです。
Phase1ではUpper Bracket FinalでCrest Gaming Zstに敗れたものの、その後はREIGNITE FOXXに勝利。ローワーブラケットを勝ち抜き、見事2番手でPlayoffs進出を果たしました。敗北から立て直す対応力の高さも、このチームの強さを物語っています。
Impact
Kippei
margaret
misaya
Yuran
Relife(ヘッドコーチ)
QT DIG∞の大きな特徴は、長期間同じメンバーでプレーしてきたことによる高い完成度にあります。
現在のロスターは2025年9月の時点で揃っており、他チームと比較しても連携の練度が非常に高い点が強みです。細かな連携や判断の共有において、一歩抜きん出た安定感を見せています。
また、Phase1ではいわゆる「ヨルメタ」の中で、Yuran選手がヨルを専任で使用していた点も特徴的でした。しかし、Advance Stageでは一転してテホやヴァイパー、ヴィトーなど複数のロールを使い分けており、その柔軟性の高さを証明しています。
このように、特定の戦術に依存しすぎない適応力こそがQT DIG∞の強みであり、現在のメタ環境にも十分対応できるチームといえるでしょう。今後はYuran選手がどのエージェントを選択するのかにも注目が集まります。
チームの中でも特に注目したいのは、17歳の若さで活躍するKippei選手です。
Phase1ではアストラのみを使用しながらも、4試合中3試合でチーム内レーティング1位を記録。安定したパフォーマンスと高いゲーム理解度を兼ね備えています。
若さゆえの優れたフィジカルに加え、状況判断力にも長けており、戦場をコントロールする存在としてチームに大きく貢献しています。そのプレーは試合の流れを左右する重要な要素となっており、Playoffsでも鍵を握る存在となるでしょう。
FENNELは、日本のeスポーツ企業が運営するチームであり、VCJでは毎回上位に名を連ねる強豪チームです。
Phase1ではアッパーブラケットでCrest Gaming Zstに、さらにローワーブラケットでREIGNITE FOXXに敗北し、Playoffs進出はPhase2に持ち越される形となりました。
しかしPhase2では、WEC C、MURASH GAMING、REJECTを相手に3連勝を達成。見事な巻き返しでPlayoffs進出を決め、その実力の高さを改めて証明しました。
Aace
Hals
Anthem
CLZ
GangPin
Euler(ヘッドコーチ)
FENNELの最大の特徴は、「若さ」と「経験」の両立にあります。
Aace選手とHals選手はともに19歳と若く、日本のプレイヤーの中でも特に高いポテンシャルを持ち、Tier1チームとも十分に渡り合える存在として評価されています。一方で、Anthem選手とCLZ選手はそれぞれDetonatioN FocusMe、ZETA DIVISIONといったTier1チームでの経験を持ち、試合の流れを落ち着いてコントロールできる実力者です。
さらに、GangPin選手は韓国シーンの大会「VALORANT Challengers 2025 Korea: Stage 3」において、T1 Academyの一員として優勝経験を持ち、国際的な視点でも高い実力を備えています。
このように、若さゆえの爆発力と経験に裏打ちされた安定感を兼ね備えている点こそが、FENNELの強みといえるでしょう。試合の流れに応じて攻守のバランスを柔軟に切り替えられる点も魅力です。
チームの中でも特に注目したいのは、デュエリストとして前線を担うAace選手です。
Aace選手は、Playoffs進出を決めたREJECT戦において、わずか2マップで50キルという圧倒的な成績を記録しました。チームを勝利へと導く決定力の高さが際立っています。
また、デュエリストでありながら非常に落ち着いたエイムが特徴で、無理に撃ち合いを仕掛けるのではなく、確実にキルを積み重ねていく安定感のあるプレースタイルを持っています。
その冷静さと爆発力を兼ね備えたプレーは、PlayoffsにおいてもFENNELの勝敗を左右する大きな鍵となるでしょう。
INSOMNIAは、墨田区およびiU情報経営イノベーション大学と連携し、オフラインにもファンベースを持つeスポーツチームです。
Phase1ではAGELITE、そして国内4連覇中のRIDDLE ORDERに勝利するなど実力を示したものの、QT DIG∞に敗北。ローワーブラケットではREIGNITE FOXXに敗れ、あと一歩でPlayoffs進出を逃しました。
続くPhase2では、初戦でREJECTに敗れたことで後がない状況に追い込まれます。しかしそこから、REIGNITE FOXX、MURASH GAMING、RIDDLE ORDERに連勝。さらに最後はREJECTとの再戦を制し、見事リベンジを果たしてPlayoffs進出を決めました。
Split1全体を通して、Advance StageとMain Stageを合わせて計13試合を戦い抜いており、その長い激闘を乗り越えてきたチームです。
Karaage
Ady
Satwoshi
Flora
MeatPieN
woo(コーチ)
INSOMNIAの大きな特徴は、柔軟なエージェント構成と、逆境に強い精神力にあります。
基本的には、Satwoshi選手がデュエリスト、MeatPieN選手がイニシエーター、Ady選手がコントローラーと役割が固定されています。その一方で、Flora選手はネオンやチェンバー、Karaage選手はヴァイパーやキルジョイといった複数のエージェントを使い分けることができ、構成の幅を大きく広げています。
この柔軟性により、相手やマップに応じた最適な戦術を選択できる点が強みといえるでしょう。
また、どれだけ追い詰められても諦めない粘り強さも、このチームの大きな魅力です。Playoffs進出を決めたREJECT戦の第3マップ・バインドでは、敗退がかかった状況で1-8という厳しいスコア、さらにエコラウンドという不利な局面を迎えました。
しかし、シェリフによるスリフティでラウンドを獲得すると、そこから一気に流れを引き寄せ、最終的には13-10で勝利。この試合は、INSOMNIAの底力を象徴する一戦となりました。
このように、どんな状況でも勝機を見出し、逆境を力に変える点こそがINSOMNIAの真骨頂です。
チームの中でも特に注目したいのは、IGLを務めるAdy選手です。
Ady選手は韓国出身で、19歳という若さながら、日本語でチームを指揮する高いコミュニケーション能力を持っています。さらに、IGLとしての判断力に加え、優れたフィジカルも兼ね備えている点が特徴です。
特にPhase2での5試合では、すべての試合でチーム内レーティングトップを記録。司令塔でありながら、プレイヤーとしてもチームを牽引する存在となっています。
その統率力と個人技の両面での活躍は、PlayoffsにおいてもINSOMNIAの活躍を支える重要な鍵となるでしょう。
Playoffsは4月15日 16時より開幕します。
対戦マッチアップは以下の通りです。
Crest Gaming Zst vs INSOMNIA
QT DIG∞ vs FENNEL
いずれのカードも今大会では対戦がなく、初対決となります。そのため、各チームの戦術や対応力がより色濃く表れる試合となるでしょう。
Crest Gaming Zstの完成された攻撃力がINSOMNIAの粘り強さを上回るのか、それともINSOMNIAが持ち前の逆境力で流れを引き寄せるのか。もう一方では、安定感と練度を誇るQT DIG∞と、若さと経験を兼ね備えたFENNELが激突します。
それぞれ異なる強みを持つ4チームが揃ったことで、どの試合も一瞬たりとも目が離せない展開が期待されます。
長い戦いを勝ち抜いてきた4チームの中から、頂点に立つのはどのチームとなるのか。国内トップレベルの戦いが繰り広げられるPlayoffsに、ぜひ注目してください。
なる
24歳のライター。推しのVALORANTプロ選手はkaajakとsato。
ArcaneやChampionsスキンなどの限定スキンに弱く、すぐに課金してしまう癖がある。