Kiwoom DRXがTeam Secretに2-0勝利 ─ 新加入Yongはエリア取りもサイト耐えも一人でこなす大物新人

4月5日に行われたVCT Pacific Stage 1 Day3、Kiwoom DRX(KRX)はTeam Secret(TS)と対戦しました。注目すべきはKRX YongとTS Rimuruという期待の新人二名。両者ともこの試合がTier1での初めての試合となりました。
結果は2-0でKRXが勝利し、後進の育成に力を注いでいるKRXの判断は、開幕初日に一つの回答を得ることとなりました。
この昇格の背景を理解するには、KRXの2025年末からの流れを追う必要があります。
2025年、KRXはChampions Parisで3位に入り、VCT黎明期からの名門としての存在感を維持しました。しかしシーズン終了後、競技とは別分野のキャリアへ専念することを理由にFlashbackが引退を表明し、穴を埋めるべくHermesが加入しましたが、Kickoffでは不振に終わりました。
Flashbackもかつてアカデミーからの昇格組であり、KRXはアカデミーチームとメインロスターとの連携を強めることで、柔軟なロスター構築を可能にしています。

Yongが旧DRX Academyに加入したのは2025年の2月のことでした。そこからの約一年間で、ネオンやオーメン、アストラといった複数のロール、エージェントを使い分け、Challengers Koreaにも出場することで実戦の経験を積んでいます。
Stage1開始のわずか2週間前に昇格が発表され、初陣となったTS戦では2マップともセンチネルを担当しました。
多ロール適正があるYongにセンチネルをプレイさせるというtermiコーチの判断は、Yongの「センチネルならではの柔軟性」が関係していると考えられます。

TS戦でのYongは、同じセンチネルというロールの中でマップごとにまったく異なるプレイングを見せていました。
1マップ目のパールでは、KRXはfree1ngがネオンを、HYUNMINがフェニックスを担当するダブルデュエリスト構成を採用。free1ngをメインデュエリストに置いた構成はStage 1に向けた新たな試みと見られます。
この攻撃的な構成の中で、チェンバーを使用したYongは積極的に身体を使って取りに行く動きが目立ちました。キルジョイと比較してスキルで取れる情報量に限界があるチェンバーならではのプレイングと言えます。
しかし、続くフラクチャーでのYongはサイファーを使用し、パールのアグレッシブさとは打って変わってサイト中やタワーで長時間耐える粘り強いプレーを見せました。
攻撃的なプレーも、丁寧なプレーもできる。そんなYongの切り替えの柔軟さは、KRXの戦術面に大きなアドバンテージを与えていると考えられます。

Gen.GがMasters Shanghai、T1がMasters Bangkok、Nongshim RedForceがMasters Santiagoと、韓国勢が次々に世界大会のトロフィーを獲得する中、KRXだけが未だそのリストに名前を刻んでいません。
「再浮上のために何を変えるか」その問いに対してKRXが示した回答は、組織としての基盤を安定させることでした。アカデミーとの柔軟な連携や厚い選手層は、他のチームにはないKRXならではの強みと言えるでしょう。

4月10日に行われる次戦の相手はNongshim RedForceです。現Masters王者であり、強豪ひしめくグループアルファの中でもトップクラスのチームであり、Yongにとっては、デビュー戦よりもさらにプレッシャーのかかる試合となります。
ロスター構築という難しい課題に、「組織力」という武器を手に挑戦を続けるKRXとYongに注目です。
黒瀬
猫となかよく