繰り返される再建 ── 新ロスターの現状から見るTeam Secretが探し続ける勝ち筋

4月5日に行われたVCT Pacific Stage 1 のグループステージ Day3、第一試合。KIWOOM DRX(KRX、旧:DRX)対 Team Secret(TS)は、KRXの2-0勝利に終わりました。

2マップ目のフラクチャーではTSはマッチポイントを先に取得し、試合はフルマップにもつれ込むかに思われましたが、KRXに逆転を許し悔しい結果となりました。

2センチネル+スカイという選択

この試合で注目すべきは、TSの構成面での工夫でした。

最新パッチでのスカイの強化、ヨルの弱体化がメタに強く影響を及ぼしている中で、TSもBerserXがキルジョイ、KellySがチェンバーを担う2センチネル構成をパールで採用。これにJessieVashのスカイを組み合わせた編成は、Tier1の試合では珍しい部類に入ります。

エリアコントロールが特に重要なパールというマップで「サイトの遅延能力を確保しつつ強化されたスカイで積極的に情報のアドバンテージを狙う」という意図の読める構成です。

続くフラクチャーでもスカイの起用は継続され、今度はKellySがその役割を担いました。
TSは8-4で4本のリードを獲得したまま迎えた後半戦、TSは12-10で先にマッチポイントを取得しました。続く2本をKRXが連取し、オーバータイムへともつれ込みました。

ここでもTSは先制し、二度目の王手をかけたものの、KRXが粘り強さを見せ、試合は15-13でKRXの逆転勝利となりました。

この2マップを通して、特にKellySの勝負強さが際立っていました。要所でマルチキルを決め、チームに流れを引き寄せる場面が複数あり、KellySという選手がロールに依存することなく勝ち筋をもたらすことのできる存在であることが垣間見える試合でもありました。

Team Secretに残された課題

リーグ制となって以降のTSの歩みを振り返ると、2023年のLast Chance Qualifierが一つの頂点でした。Stage 1ではグループステージを突破してプレイオフに進出し、存在感を示したものの、2025年は年間通して成績は沈み、チームの中心あったinvyがPaper Rexに移籍したことで、最も打撃力のある選手を失うこととなりました。

2026年に向けてはSylvan、TenTen、BerserXを獲得し、多国籍ロスターで再出発を図るものの、Kickoffでは11-12位に終わりました。

Kickoff後、チームはわずか3ヶ月でTenTenを放出。代わりにフィリピンのTier2シーンで頭角を現し始めたRimuruが加入しました。同時に契約したZeusは年齢制限によりStage 1序盤は出場できない状況にあります。

正真正銘の最年長──JessieVash

毎シーズン、ロスターを大きく変えて挑戦を続けるTSですが、変わらずに残り続けている選手がJessieVashです。35歳、VCT史上最年長で試合に出場したプレイヤーです。

2025年5月に競技の第一線を退き、ストリーマーとして活動していた時期がありますが、2026年1月にチームは新ロスターの一員としてJessieVashの選手復帰を発表しました。
しかし、体力やモチベーションといった理由から、1度は引退したJessieVashが長くTier1で戦い続けることは難しいと予想されます。

これまで核としてチームを支え続けてきた選手と別れ、TSが次のフェーズに進むためには、JessieVashとは違う新たな軸を立てる必要があります。
KellySが試合で見せた勝負強さや、新進気鋭の若手2人を採用したロスターからは、「従来のTS」からの脱却を狙う意図が読み取れます。

まとめ

フラクチャーで演じた接戦は、TSというチームの可能性を示しています。構成の工夫や個の強さといった各要素を結果に変え、一つの良い試合を再現可能な勝利に昇華できるかどうかに、TSの命運がかかっていると言えるでしょう。

その試金石となる次戦のGlobal Esports戦は、4月11日に行われます。

黒瀬

猫となかよく

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