Viper V4 Pro、Wooting 60 HE、零......Masters Santiagoで見えた、一強の領域に及ぶ神器たち。デバイスの「今」を徹底分析してやんよ!!!

年初の国際大会、それはデバイス情勢が最も動く大会
LOCK//IN São PauloのWooting 60HE大躍進、Masters MadridのRazerマウス大復活劇、Masters BangkokのARTISAN大席巻。
その後の方向性を決めるかのように、メーカーも選手も、新たな流れを作り出します。

では、先日行われたMasters Santiagoではどのように情勢が動いたのでしょうか?
今回は本媒体にて公開されたデバイスリストと共に、情勢を分析。
様々な角度から検証しつつ、今後を予測していこうという内容の記事になっております。

デバイス使用率一覧

検証に入る前に、今大会における各デバイスの使用率TOP3を見ていきましょう。

マウス使用率 TOP3

順位

製品名

全体使用率

Americas使用率

CN使用率

EMEA使用率

Pacific使用率

1位

Razer Viper V4 Pro

15/60(25%)

3/15(20%)

4/15(約27%)

3/15(20%)

4/15(約27%)

2位

Logicool G PRO X SUPERLIGHT 2

9/60(15%)

3/15(20%)

2/15(約13%)

1/15(約7%)

3/15(20%)

3位

Logicool G PRO X2 SUPERSTRIKE

7/60(約12%)

2/15(約13%)

2/15(約13%)

2/15(約7%)

1/15(約7%)

マウスパッド使用率 TOP3

順位

製品名

全体使用率

Americas使用率

CN使用率

EMEA使用率

Pacific使用率

1位

ARTISAN 零 FX

14/60(約23%)

1/15(約7%)

5/15(約33%)

4/15(約27%)

4/15(約27%)

2位

ZOWIE G-SR-SEH-SR-SE II

8/60(約13%)

2/15(約13%)

3/15(20%)

2/15(約13%)

1/15(約7%)

3位

ARTISAN 99式 FX

7/60(約12%)

1/15(約7%)

3/15(20%)

2/15(約13%)

1/15(約7%)

キーボード使用率 TOP3

順位

製品名

全体使用率

Americas使用率

CN使用率

EMEA使用率

Pacific使用率

1位

Wooting 60HE+

18/60(30%)

6/15(40%)

6/15(40%)

4/15(約27%)

2/15(約13%)

2位

Wooting 60HE v2

14/60(約23%)

2/15(約13%)

4/15(約27%)

4/15(約27%)

4/15(約27%)

3位

Wooting 80HE

7/60(約12%)

1/15(約7%)

1/15(約7%)

4/15(約27%)

1/15(約7%)

世はまさに大Wooting時代!!!

目を逸らすことのできない現実、Wooting一強の流れが依然として変わりません
出場選手60人のうち、Wootingキーボードを使用した選手はなんと39人
割合にして65%のプレイヤーがWootingキーボードを使用しています。

ロスター全員がWootingキーボードを使用したAll Gamers、PaperRexとの対戦では10人中9人がWootingを使用する事態が発生した。

最前線に立つ超一流のプロたちは、なぜWootingを選ぶのでしょうか?
これを紐解く上で重要なのが、オフラインという環境です。
オフライン会場は、デバイス以外全て運営側がセッティングした環境。
PCもモニターも、机に至るまで、自室や練習場と異なる設備でプレイしなければなりません。
とりわけ重視されるのは、デバイスの設定方法。
デバイスを設定するためには、専用のソフトウェアをPCにインストールする必要があります。

しかしオフラインでは、競技の公平性をチートなどから守るために、インストールできない可能性がある。
そこでWootingは画期的な方法、ブラウザから設定を行えるWebドライバーシステムを採用しました。
更に予め自身の設定コードをコピーしておくことで、いつでもどこでも、1秒でプレイ準備完了。
いちいちキーを選んで反応点の設定を行う手間を省け、もし試合中にキーボードが壊れたとしても、サブ機をメイン機と同等に扱える点も魅力的です。

ハードウェアに着目しても、選ばれる理由がよく分かります。
そもそも、反応点(アクチュエーションポイント、以下AP)と再入力点(ラピッドトリガー、以下RP)は、せいぜい0.1mmまでが扱える限度。

つまり、0.05mmなどに設定しても、制御できない場合がほとんどです。
とりわけ緊張感漂うオフライン会場では、あまりにAP・RPが反応しやすいと、誤入力を誘発させやすくなります。

2022年にリリースされたWooting 60HE(+)が、今大会でもトップの使用率を誇っていたポイントはここです。
WootingはAP・RPの最小値が0.1mm。
入力感度に技術を割き過ぎず、反応が高速化するタキオンモードなどの機能を充実させることで、競技指向の仕上がりとなっています。
v2や80HEではポーリングレートの数値が8000Hzにまで拡張されるため、今後更に使用率が上がると予測します。
※ポーリングレート=1秒間にPCとデバイスが交信する回数を指す言葉。数値が多いほど、回数が増え反応が速くなる。

そして、使用人口が多いことも、また使用人口を増やしている一因に。
もし使用しているプレイヤーの少ないデバイスを使用した際、トラブルやバグに見舞われれば、一人の考えで解決しなければならない状況が発生します。

しかし、Wootingレベルで広く普及しているデバイスであれば、多くのフィードバックが多数寄せられているため、同じ状況に遭遇した例を見つけやすく、比較的短時間で解決可能。
これは一分一秒を練習に費やしたいプロにとって、非常に大きな魅力と言えるでしょう。

未発売でこの普及率、覇権級のViper V4 Pro

バケモンです。未発売、なんなら当時未発表だったデバイスが、使用率1位を獲ったという現実が信じられません。
Masters Madridでも話題を呼んだViper V3 Proですが、Zekken選手などRazerと契約した一部のプレイヤーにしかサンプルが提供されておらず、また発売後のMasters Shanghaiにおいても普及率は比較的緩やかなものでした。
Viper V4 Proでは何が起きたのでしょうか?

Viper V4 Proの使用率が非常に高いNongshim RedForce、Dambi選手以外全員がViper V4形状を用いた。

一つに、移行障壁が皆無に等しかったことが挙げられます。
Viper V4 Proは、V3 Proから形状が全く変化していない
これは恒久的な安定を求めるプロにとって、非常に重要なことです。
Kickoff終了からMastersまでの期間、持ち方の形を変えることなく、応答速度の短縮や軽量化など、性能のみを向上させることができるのであれば、喜ばない人など居ないはず。
V3 Proの大成功、普及率の高さが呼び水となり、この大流行を生み出したと見ることもできます。
Champions Parisでは、G PRO X SUPERLIGHT 2に押され首位の座を追われたViperシリーズでしたが、今大会で完全に復活したと言えるでしょう。

移行障壁の少なさであれば、3位のG PRO X2 SUPERSTRIKEも負けていません。
クリック感を除けば、誰もが慣れ親しんだG PRO形状。
Champions Parisにて、プロたちがG PRO X回帰を果たしたことも後押ししていますが、やはりこの短期間では独特のクリック感、レイテンシーの速さに適応しきれなかったプロも多かったのでしょうか。
ただ、発売間もない時期、しかもこれまでにないクリックシステムを搭載しながら3位につけている点を見ると、今後Viper V4 Proに取って代わり覇権を獲得する未来も遠くないかもしれません。

ARTISAN、神の領域へ

もはやお家芸でしょう。ARTISANのトップシェアが止まりません。
観測している限りでは、Masters Tokyoあたりから零がずっと1位。
本媒体で幾度となく紹介してきましたが、データを用い改めて、現代マウスパッドの最高峰という事実が確たるものとなりました。

ARTISANの使用率が80%に到達したM8とEDGの対戦、机がオレンジや紫、抹茶などでカラフルに彩られた。

3位の99式も根強い人気。
特にCNリージョンにおいて99式を使用したプレイヤーは、紆余曲折あっても回帰している印象が強いです。

以前にもコントロール系(摩擦が大きく、滑りの遅いもの)マウスパッドはありましたが、硬さが選択できず、プレイヤーに対応できる幅が今ほど広くありませんでした。
その点99式は硬さを選べ、かつARTISANといえばの品質の高さ、特にステッチ加工の丁寧さが決め手となり広く普及。

Pulsar eS Jupiter Proなども対抗馬として挙がりますが、カラーバリエーションの多さや価格の優位性から、まだコントロール系の覇権を譲らなさそうです。

この時代に一筋の光を灯すのが、かつての覇権ZOWIE G-SR-SE・H-SR-SE IIシリーズ
一時期はシェアを大幅に落としていましたが、裏面吸着ラバーのアップデート、Hシリーズ(大きなサイズ)の展開により、元のポテンシャルから実力が増幅
全地域でシェアを伸ばすという結果になりました。
Dambi選手のMVP獲得も相まって、シェアを伸ばす可能性に期待ができます。
ARTISANの牙城を崩せるのか?要注目です。

まだまだあるぞ!ピックアップデバイス!

ここまで多くのプレイヤーに好まれたデバイスをご紹介してきましたが、筆者の興味はそこに留まりません。
本項目では、一人しか使っていないマイノリティなデバイス、個人的に気になったデバイスをピックアップしてご紹介します。

まず一番気になったのが、NRG Ethan・mada両選手が使用した「ステッチ加工なし、黒無地」のマウスパッド。

特にmada選手に関しては、前年より一般には手に入らないマウスパッドばかり使っていたのですが、この流れがEthan選手に波及したとなると話が変わってきます。
prosettings.netによればZOWIEの未発表マウスパッドとのこと。
続報に関心が寄せられます。

黒無地と言えば、こちらはステッチ付きG2 leaf・trent両選手が使用していたマウスパッドも気になります。

prosettings.netによれば、Logitech(Logicool)の未発表マウスパッドとのこと。
長らくマウスパッドの分野より距離を置いてきたLogicoolですが、写真から判断する限りでは悪くない品質に見えます。
SUPERSTRIKEに続き、マウスパッドでも切り札投入なるか?
逆襲の気配を感じずにはいられません。

マウスからはLoita選手の使用機、Pulsar Xlite Crazylight。

国際大会での使用実績がなかったマウスが初参戦です。
Crazylightの文字通り、重量は驚異の41g
チューブわさびの内容量が42~43gなので、それよりも軽いです。
軽さだけに振り切らず、性能も一線級。
フラッグシップセンサーに、ポーリングレート8000Hz対応。
クリックにはチャタリング(誤動作)を起こさない光学式スイッチが搭載された、妥協のないエルゴマウスとなっています。
NRG戦で幾度となくチームを救った背景に、このマウスの存在があったこと。
そしてこのマウスが世界の舞台でも通用することを証明できたことは、非常に大きな意義があったと言えるでしょう。

最後に、これを語らずしてMasters Santiagoは締められません

FUR eeiu選手が、ラピッドトリガーを搭載していないメカニカルキーボード、G PROを使用していました。

ラピトリ全盛時代に、ラピトリが有利に働くゲームで。

意味が分かりません。

一応、逆キーストッピングだから、物理的な破損以外ではバグが起きないほど頑丈なキースイッチだから、という擁護はできますが、無理筋も無理筋。

It's over,GG!! 

諦めましょう。

まとめ

今大会も様々な思惑が見え、最高の幕開けとなりました。
Masters Londonでは、ここからどのように情勢が動くのでしょうか。
そして、eeiu選手がラピトリキーボードを使う日は来るのでしょうか?
次大会からは、机の上にも注目すると、発見やひらめきがあるかもしれません。

PepsiMan_ax

寝て起きたら、持ち方しか残っていませんでした。
YouTube見てください。

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