あの日本人選手がレーティング1位! ― みんな大好きスタッツで見るVCJ Split1 Phase1

VALORANT Challengers Japan (以下VCJ) Split1も、Phase1が終了し、CREST GAMING Zst (以下CGZ)、そしてQT DIG∞ (以下QTD)がPlayoff進出を決めました。優勝予想も多かったFENNEL(以下FL)とRIDDLE ORDER(以下RID)が敗退し、Advance Stageを勝ち上がった2チームが制する意外な展開となりました。本記事では、そんなPhase1、またAdvance Stageのスタッツ、個人成績に注目し、どんな選手が活躍したのか紹介していきます。もちろん、ACSやKDがすべてではありません。それが低いからといって責められるものではなく、IGLやコール面など、数値に現れない活躍をしている選手も多いことでしょう。一方で、スタッツが高い選手が、チームの勝利に貢献しているのもまた事実。今回はそこに注目していこうと思います。
まずはMain Stage Phase1のACSランキングに注目していきます。最も平均ACSが高かったのは、CGZのFlicker、その数値は270.0を記録し、KDは驚異の1.33! DRX、いやKRXアカデミーからまさかの日本シーン参入を果たした選手ですが、早速とんでもない活躍を見せてくれました。数値だけ見てももちろん素晴らしい選手ですが、彼の加入により、KENやyutaroがデュエリストを使う必要がなくなったことも大きいと思われます。Flickerにネオンやレイズを任せ、各々が得意なロールを担当することができています。さらにはヨルを採用していないので、新パッチにも間違いなく適応しやすいでしょう。プレイオフでの彼らのパフォーマンスに期待です。
そして2位はINSOMNIA Flora! そのACSは260.6、KD1.33を記録しました。チームのロスター欠員により、Main Stageから加入した韓国人選手です。BC SWELLやDelightなど、日本チームで活動していた経験はあるのですが、今回のトーナメントで大きな注目を浴びました。急な加入にも関わらず、ヨルやウェイレイを使いながら圧倒的な撃ち合いの強さを見せてくれました。RID戦での大金星に大きく貢献したといえます。かつてsomethingを発掘しながらも、一度は競技シーンから離れていたINSOMNIAが、またダークホースとして帰ってきてくれました。Phase2での活躍にも期待しましょう。
続く3位はFLのAace、ACSは249.9です。やはり強いこの男。Tier1行きも噂されていた期待の日本人選手が、安定した戦績を残しています。今年は完全にデュエリストを担当しており、チームを引っ張っていく存在となりました。ドライの撃ち合いの強さ、オペレーターの圧力は言うまでもなく、Halsとの強力なデュオはチームの核ともいえるでしょう。一方で、ネオンの扱いに少し難儀しているようにも見えます。来るPhase2では、チームとして彼の撃ち合いの強さをどう生かしてくるのでしょうか。
そんなAaceとほぼ同じACSを残したのがREIGNITE FOXX(以下RIGX)のBangnan、こちらは韓国人の選手です。RIGXの試合を見ればわかりますが、その破壊力は抜群。MURASH GAMINGやFENNELは、彼のヨルを止められませんでした。AGELITE戦ではACS408というスコアも叩き出しています。彼は2024年のSplit1にて、VARRELでBlackwizと共闘しています。かつての戦友、BlackwizのIGLから繰り出されるデュエリストBangnanは、間違いなくPhase2の大きな脅威となるでしょう。
平均ACSの高かった選手は、この後Jremy、gyen、Yoshiiiと続いていきます。このACSランキングから注目したいことは、外国人選手、特に韓国人選手の強さです。VCJではこれまでも、MeteorやMunchkin、HYUNMINなど、多くの韓国人選手が活躍してきました。その撃ち合いの強さ、VALORANTの上手さからデュエリストを担当することが多く、今回のMain Stageでも、10チーム中7チームがこれに当てはまります。日本人のIGLが彼らの手綱を握り、その撃ち合いの強さをどう活かしていくのか。今回勝ち上がったCGZとQTDは、その部分が他チームより一歩抜けていたのかもしれません。もはや外国人選手が強いのは当たり前で、それだけでは勝てない・・・。そんな環境に、VCJはなっているのです。
続いてVLRレーティングを見ていきましょう。VLRレーティングとは、キル数やアシスト数、生存率等を考慮に入れた、VLR.gg(https://www.vlr.gg/) 独自の評価基準です。ラウンド状況によってキルの重みが違うのが特徴的であり、例えば5対1の状況でキルしたとき、5対5の状況でキルを獲得した場合よりも、その評価の重みは低くなります。ACSに比べて、イニシエーターやコントローラーの数値が高くなる傾向にあり、ACSとレーティングのチーム内順位が逆転することも珍しくありません。
そんなレーティングでMain Stage Phase1トップの数値を叩き出したのは、先に紹介した韓国人デュエリストではありません。そう、岐阜の若きコントローラー、QTD Kippei です。平均ACSは232.2ですが、レーティングは1.27で堂々の一位。KDも1.31ととても高く、プレイオフ進出に大きく貢献しました。また、レーティングと共に言及しなければならないのが、そのクラッチ率の高さ、なんと39%。WEC Cのdistinctに次いで2位の数値です。こんな素晴らしいプレイヤーが、なんとまだ17歳という若さなのです。
2024年、彼はSengoku Gaming(QTDリブランディング前)のBチーム、いわばアカデミーチームからキャリアをスタートさせました。このBチームには、現FLのHals、現SZのArtなども所属していました。その後メインチームに昇格し、2024年末から本格的にVCJの舞台で戦っています。昨年も注目されていましたが、ここまでの活躍は残していません。チーム成績や試合数も違うため一概には言えませんが、実際過去のレーティングを見ると、2025年のSplit2では0.95、Split3では0.91と、今年に入ってから大幅に上昇していることが分かります。ひとえに選手、チームの努力の賜物でしょう。
このKippeiという選手に、Sugarz3roの片鱗を感じるのは筆者だけでしょうか。アストラを使いこなす、若くて安定感のあるコントローラー。的確なカバーとスモークを炊き、最後に残ればクラッチしてくれる。QTDが生み出したこの才能が、今後も活躍してくれることを祈っています。
ここまでは主にMain Stageに進出したチーム、選手に注目してきました。しかし、皆さんご存知の通り、その前のAdvance Stageもまさに魔境。SCARZやIGZISTがここで吞まれていきました。そんな深淵をのぞいてみると、とんでもない選手がのぞき返してきました。
ZETA DIVISION Academy所属、winter。そのACS286.6、レーティング1.33、K:D1.47、これまで紹介してきた選手がかすむほどの、とんでもない数値を叩き出しています。当チームは2勝2敗でAdvance Stageを敗退しています。なのにこの数値。試合は配信されていないので、我々はこの選手の強さを想像することしかできません。本人のXにはいくつかとんでもないクリップが上がっているのですが、逆に言えばそこでしか見れないのです。16歳の韓国人選手ということですが、間違いなく今後活躍していくのでしょう。しかし、VCJで見れるのは早くともSplit2 Main Stageから。彼が日本ファンの目に触れる日は、残念ながらもう少し先になりそうです。ZETA DIVISION Academyの健闘を祈ります。
息つく間もなく、4月1日からはPhase2が始まります。かなり厳しい日程の中、Phase1で敗退してしまった8チームは新しい環境への適応が求められます。ヨルの大幅な弱体化、スカイの強化により、メタが変わることは必至。ヨルを積極的に採用していたRIGXやRID、REJECTにとっては難しい戦いになりそうです。
Phase2では、一体どの2チームが勝ち上がり、Playoffに駒を進めるのでしょうか。やはりFLやRIDが仕上げてくるのか、RIGXがリベンジを果たすのか、はたまた他のチームがやってくるのか、全く予想がつきません。また、環境が変わり、どの選手がチームを引っ張っていくのでしょうか。好きな選手、チームをしっかりと応援していきましょう。
Phase2初戦は4月1日午後4時から、RIGX vs AGELITE の試合からスタートです。
waddle
プレイ歴1年、競技シーン視聴歴5年のファン。好きなチームはGambit。