IGZIST oitaN「チーム名が変わっても自分の中ではIgnisが続いている感覚なんです。まだ日本一を獲るという夢が叶えられていない」「絶対にこのチャンスを掴み取りたい」苦しい時間を乗り越え掴んだオフライン出場、語る“日本一”への執念【独占ロングインタビュー】Supported by Predator League

7月25日(土)から26日(日)にかけて、VALORANT Challengers Japan 2026 Season Finals、最終2日間のオフラインでの戦いが、東京・アリーナ立川立飛にて開催されます。オフラインには、REJECT、IGZIST、QT DIG∞、FENNELの4チームが出場。日本一の座、そしてVCT Pacific Stage 2 Play-ins出場への切符をかけて戦います。

今回は、6年ぶりの公式オフライン出場を決めた、IGZISTのoitaN選手にロングインタビューを実施。IGZISTの現ロスターが揃ったインド開催のPredator Leagueから、VCJ Split 1での苦戦、そしてSplit 2での躍進まで、チームにどのような変化や成長があったのかを振り返ります。

oitaN選手が長年追い続けてきた、「日本一を獲る」という夢まで、あと2勝。苦しい時期も乗り越えて辿り着いた、オフラインの舞台に懸ける思いを聞きました。

提供:Predator League 

「これまでの努力が報われた」待望のオフライン進出

── まずは、6年ぶりとなる公式オフライン大会への出場決定、おめでとうございます。率直な現在の気持ちを聞かせてください。

oitaN:率直な感想としては、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。ただ、いざ出場が決まったとなると「とにかくオフラインで勝ちたい」という気持ちの方が今は強いですね。

── アッパーブラケットの初戦はREJECTとの対戦になります。対戦相手として指名された際の心境はいかがでしたか?

oitaN:正直「まあ、来るよな」と思いましたね。客観的に見て、相手からすればFENNELと僕たちIGZISTの二択であれば、IGZISTを選ぶだろうなと思っていたので「そうだよね」という感じでした。

── REJECT戦に向けた準備の進捗はいかがでしょうか?

oitaN:準備自体はしっかり進めていますが、相手への対策以上に、今は自分たちのパフォーマンスとフォーカスを高めることを意識して取り組んでいます。

── オフライン進出を決めたRIDDLE戦で、勝利した瞬間はどのような気持ちでしたか?

oitaN:RIDDLE戦までの1週間、本当に寝る直前までずっとRIDDLEの対策やプレイについて考え続けて過ごしていたんです。だからこそ、勝利した瞬間は「これまでの努力が報われたな」という気持ちが一番強かったですね。スカウティング通りの展開になり、準備してきた対策がバッチリ刺さった手応えがありました。

Ignisの頃から続く、日本一への執念

── VALORANTの競技シーンでは選手の移籍が非常に活発ですが、oitaN選手は長くIGZISTで戦い続けています。その理由について教えてください。

oitaN:大きく分けて2つあります。1つ目は、1シーズンごとにチームを転々とするスタイルが個人的にあまり好きではないこと。そして2つ目は、やっぱりなんと言っても、CS:GOで競技シーンを本気でやろうと思ったIgnisの頃から続く、「日本一を獲りたい」という思いがあることです。

IgnisからBlackBird Ignisになって、その後IGZISTというチームが新しく立ち上がったんですが、まだ自分の中ではIgnisが続いている感覚なんです。まだそのIgnisで日本一を獲るという夢が叶えられていないのに、チームを移籍するのは違うなと思って。IGZIST以外でやったとしたら、そこでモチベーションが途絶えてしまうんじゃないかと思って、IGZISTでずっと優勝を目指してプレイしています。

── oitaN選手にとって、それほどIgnisというチームが特別だったのはなぜですか?

oitaN:その時の状況が、やっぱり自分の中で大きかったですね。メンバーもやっぱりhNtさんだったりnethさんだったり、そのメンバーが大好きで(笑)。主な対戦相手も、ZETA DIVISIONの前身にあたるAbsolute JUPITERだったんですけど、永遠のナンバー1と永遠のナンバー2みたいな関係性でした。その面影を今でもずっと追っているじゃないですけど、その時に達成できなかった日本一という夢があるので。当時から自分の芯にあったモチベーションを持ち続けているという感じですね。 

── そこから長年第一線で走り続けてこられたわけですが、VALORANTのキャリアの中で特に苦しかった時期はいつ頃でしょうか?

oitaN:結果が残せなかった2023年から今に至るまでの2〜3年間は、本当に苦しい時期でした。過去にベスト4に入って以降、メインステージに出られたり出られなかったり、出られても上位に食い込めない期間が続いていたので、本当にずっと苦しかったです 。自分がリーダーとしてチームを引っ張っていかなければいけないというプレッシャーを感じつつも、自身のパフォーマンスが上がらずに周りへ目を配りきれない瞬間もあり、苦しかったですね。

インド開催のPredator Leagueで得た手応えとチームの変化

── 去年末に行われた日本予選を勝ち抜き、インドで開催されたPredator Leagueへ出場されました。あの海外遠征を振り返っていかがですか?

oitaN:結果自体はグループステージ敗退という残念なものでしたが、負けた相手(Fancy United Esports)がそのまま優勝したことや、オーバータイムまでもつれ込む一戦だったこともあり、「自分たちは世界相手でもまだ戦える」という大きな手応えとポジティブな収穫を得ることができました。

── 遠征を経て、チーム内にはどのような変化がありましたか?

oitaN:それまではオンライン上でのやり取りが中心でしたが、インドで1週間共同生活を送ったことでチームの仲がグッと縮まりました。特に大きかったのは、SIDがメンバーとすごく打ち解けてくれたことです。遠征以降、彼が自分の意見や「こうしたい」という主張を積極的に出してくれるようになり、チームとして大きな成長に繋がりました。

── 出場メンバーは今と同じだと思いますが、その時から「今のロスターで行けるな」といった手応えを感じていましたか?

oitaN:そうですね。もうメンバー結成してからずっと「良い感じだな」と。インドは振るわない結果だったんですけど、それでも「VCJは勝てるでしょう」と思える、すごく良い感じの雰囲気でした。 

── Predator Leagueの国際大会出場後、VCJで苦戦するチームが多いというジンクスもありますが、スケジュール感や影響についてどう感じていましたか?

oitaN:帰国からSplit 1まで約1ヶ月ほど期間があったので、一息つく時間も戦術を調整する時間も十分にありました。Predator Leagueでやった戦術はVCJでの戦術とも違いますし、見せたからといって勝率が大きく変わるとは思っていません。純粋に良い経験を積めたと思っています。何より、Motiv EsportsやRex Regum Qeonといった海外の強豪、Tier1チームと現地でスクリムができた体験は非常に大きかったですね。

“熱血”への変革と新コーチ陣の存在

── 手応えを得て臨んだSplit 1でしたが、思うような結果が出ず苦しい展開となりました。当時の心境と、Split 2に向けた変化について教えてください。

oitaN:インドから帰ってきた後のスクリムも非常に調子が良く、アドバンスは余裕で突破できるだろうという思いが自分の中ではあったんですけど、結局Split 1は負けてしまいました。しかも、なぜ負けたのか、チーム全体で「これだ」という原因が見つけられなかったんです。

自信もあったのに、なぜか大会で負けてしまって、頭が真っ白という感じでした。チームで話し合って、「(特定の場面で)これが良くなかったよね」という話になっても、そうじゃないよなって。だとしてもこんなに大差で負けないよなと思い、最後までよくわからないまま終わってしまいました。

── そこからSplit 2での躍進に繋がるわけですが、チーム内でどのような変革があったのでしょうか?

oitaN:Split 2の途中、Premierの順位戦でも結構負けたんですよ。そこでSitimentyoコーチとyukufuruコーチが加入したことが、大きな転機になりました。最初、yukufuruコーチから「チームの雰囲気が悪い」と指摘されて(笑)。そこから「1回声出してみない? 」と始まったのが、今の“熱血”です。yukufuruコーチが元選手というのもあって、そこの違和感に気づいてくれました。

── ハイライトでも非常に熱量高く声を掛け合っている姿が印象的です。

oitaN:今までは「正しいプレイを淡々とこなせばいい」という意識が強かったのですが、それだけでは大会で勝てないと気づかされました。試合中の雰囲気作りや、大会ならではの熱量を大事にするようになったことは、チームの大きな変化だと思います。

── 実際に“熱血”を取り入れたことで、試合展開に違いは感じますか?

oitaN:あった方が大会で勝てますね。落としたくないラウンドを落としてしまっても、ズルズル引きずらずに切り替えられますし、厳しいシチュエーションでも最後まで諦めずにラウンドを取りきれるようになりました。熱血によって「ここで勝てるか」というところでラウンドを取ると、もっとテンションが上がってどんどん流れに乗れます。

── 新しく就任されたお二人のコーチの役割についても、詳しく教えてください。

oitaN:Sitimentyoコーチは、元CoDプロとして数々の勝利を収めてきた人で、“勝ち方”を熟知しています。例えば、スクリムでちょっとピークが変だったりしたら「それちょっとビビってない?」「そこ1v2だけど全然ピークしちゃっていいよ」 とすごく細かく言ってくれます。マクロだけでなく、選手個人のフィジカルアップに直接繋がるコーチングだなと思っています。 一方、直前まで現役選手だったyukufuruコーチは、選手個々のスキルの使い方や細かいプレイにフォーカスしてサポートしてくれています。

── コーチ陣の刷新によって、チーム全体が大きく底上げされたのですね。

oitaN:はい。コーチ陣が変わることで、チームのカラーも雰囲気もここまで劇的に変わるんだなと驚きました。僕自身の長い選手キャリアの中でも、ここまで声を出してプレイしたことはなかったので、短期間で自分たちが変われたことに手応えを感じています。

VCJ Season Finalsへ ── 夢の日本一を目指して

── いよいよ来週はオフラインでのSeason Finalsを迎えます。改めて意気込みをお願いします。

oitaN:昔からの夢である「日本一になる」という目標まで、あと2勝というところまで来ました。絶対にこのチャンスを掴み取りたいです。

── オフラインの舞台で、特に期待しているメンバーは誰ですか?

oitaN:Frxeezですね。チームの中で最も伸び代がある選手だと思っています。先のRIDDLE戦でも、彼が大事な場面での撃ち合いをすべて勝ってくれたおかげで、勝利できたと言っても過言ではありません。大会期間中にも凄まじいスピードで成長してくれているので、オフラインの舞台でも大いに期待しています。

── oitaN選手ご自身は、どのようなパフォーマンスを見せたいですか?

oitaN:勝ちにこだわるのはもちろんですが、何よりもあのオフラインの舞台を全力で楽しみたいです。

── オフラインの大会は普段とは異なる点が多いと思いますが、何か対策していることはありますか?

oitaN:特に変えることはないんですが、やっぱり観客がいる大会なので、良いプレイしたら会場が盛り上がるようなことをしたいと思っています。結果、自分のテンションも上がりますから。

── 最後に、長年IGZISTとoitaN選手を応援し続けてくれているファンの方々へメッセージをお願いします。

oitaN:ずっと応援し続けてくれたファンの皆さんへ、ステージの上で勝利する姿、そして優勝する瞬間をお見せしたいと思っています。本当に 、本当に、本当に頑張ります!

IGZISTは、7月25日(土)Season Finals DAY1、12時頃より行われるSemiFinals(Bo3) Match 1に出場。REJECTと対戦し、勝利チームがDAY2のGrand Final(Bo5)に進出します。

〈企画・編集:綾本ゆかり/取材・執筆:徳野〉


綾本ゆかり

Xアカウント:@ayayuka99

share