VIT Chronicle「(Championsトロフィー獲得について)もちろんこれからも挑み続けるよ。他のタイトルでも世界王者の座を目指してキャリアを懸け続けた選手たちがおり、Championsだけが唯一手にしていないタイトルなので、挑戦しない理由がない」─ 今年1年の振り返りとチームメイトへの感謝を語る

2026年10月18日、Champions Shanghai 2026 Grand Finalが行われ、LOUDがTeam Vitality(以下、VIT)にマップカウント3-1で勝利を収め、優勝を果たしました。今回は試合後のプレスカンファレンスにて行われたVITへのインタビューの内容を一部翻訳してお届けします。
──Derke選手から順に全員から一言ずつ伺いたいです。この大会の歩みと準優勝という結果を振り返り、Champions Shanghaiから得られた最大の収穫は何でしょうか?
Derke:私たちは何の期待も持たずにここへ来て、一戦一戦、毎日ただ努力を重ねてきました。過度なプレッシャーや期待がない中で戦えたのは楽しかったですし、そうして決勝まで辿り着きました。もちろん優勝したかったのですが、届きませんでした。それでも全体的な経験としては素晴らしいものだったと感じています。私自身、ChampionsのGrand Finalは初めての経験でした。数ヶ月前を考えれば、悔しい結果ではあるものの、ここまで到達できたこと自体は素晴らしい成果だと思っています。
Chronicle:正直なところ、私は今満足しています。負けたことは当然悔しいですが、それと同時に、これまでの道のりを振り返ってみると、私たちは本来ここにいるはずのないチームでした。シンデレラストーリーのように駆け上がり、準優勝を果たしたのです。今年の旅路のどの時点を切り取っても、私たちの誰も予想すらしていなかった結果です。もちろん高い目標を目指したいものですが、時に様々な状況や問題によってその夢が遠のいてしまうこともあります。ですが今、全員を心から誇りに思っています。この大会のために全員が多くの犠牲を払いました。その犠牲が結果を変え、大会で最下位と予想されていたチームから最高峰のチームへと登りつめ、Grand Finalでも素晴らしい戦いを繰り広げました。勝ち切れなかったことは悔しいですし、サミットを落とさなければ第5マップまでもつれ込んでいたかもしれません。何はともあれ嬉しいです。
Sayonara:今は少し悲しいですし、勝ちたかったです。ですがそれが私の負けず嫌いな性格でもありますし、数日経てば乗り越えられると思います。素晴らしい成果ですし、Chronicle選手やDerke選手が言ったように、私たちは本来ここにいるはずのないチームでした。チャンスを掴み、全力を尽くし、あと一歩で優勝というところまで迫りました。
profek:私にとって非常に貴重な経験となりました。大会前は何の期待も抱いていませんでしたが、最終的に2位になりました。負けたことは悔しいですが、Grand Finalで戦う機会を得られ、優勝を争うチャンスを掴めたこと自体は嬉しく思っています。残念ながらLOUDの方がより優れたチームであり、彼らの方が勝利に値する戦いぶりでした。
Jamppi:私にとって最大の収穫は、5人の選手全員がチームのために自分のエゴやこだわりをすべて犠牲にできた時、それがどれほど大きな影響力を持つかを実感できたことです。ゲーム内での連携だけでなく、ゲームの外でどう過ごすか、お互いをどう尊重し合うかという点において、このチームがここまで一つにまとまったのは初めてでした。それがチームの相乗効果に大きな効果をもたらし、ゲーム内でのプレイにも反映されました。信じられないような旅路でしたし、これほど素晴らしいチームメイトに囲まれてプレイできたことは、私の競技人生で最も幸せな時間でした。チームが一つになって成長できたこと、それが私にとって最大の収穫です。
PAL:Jamppi選手が言いたいことをすべて先に言ってくれましたが、改めて強調したいです。Championsが始まる5週間前と比べて、チームが人間的な集団としてどれほど劇的に変化したか、彼らが将来振り返った時に誇らしく思える最大のポイントはそこだと思います。本当に大きなステップアップでしたし、それがゲーム内にもしっかりと表れていました。選手たち全員が素晴らしい時間を過ごしてくれたことを願っています。最後にあと一歩届かなかったのは残念ですが、「Championsに来て楽しんでプレイする」というシーズンの目標を自分たちが成し遂げたことを誇りに思います。
slk:最終的には素晴らしい結果だったと思います。これはゲームですし、負けても人生の終わりではありません。チーム全員を心から誇りに思っています。全員が捧げられるものをすべて捧げ、できる限りのことを成し遂げました。Chronicle選手が言った通り、誰も私たちがここまで勝ち進むとは思っていませんでした。少し悔しさは残りますが、前を向いて進み続けるだけです。素晴らしい感情に満ちた信じられない大会でしたし、選手たちが成し遂げたことも本当に信じられないほど素晴らしいものでした。全員を誇りに思います。
Scuttt:他の皆が言ったことと同じです。結果そのものが重要なのではなく、私たちが何を行い、どのように立ち振る舞ってきたかが重要です。私たちは並外れて懸命に取り組み、チームとして信じられないほど上手く機能しました。ここにいるメンバーだけでなく、裏で支えてくれたすべての人々を含め、全員が胸を張って誇りに思うべきだと思います。

──Derke選手とChronicle選手へ伺います。お二人は、EMEAが最後にトロフィーを獲得した時、すなわちFNATICが優勝した時の一員でした。EMEAが再び国際大会の頂点に立ち、トロフィーを持ち帰るためには何が必要でしょうか?
profek:決勝をEMEA同士の対決にすることですね(笑)
Chronicle:確かにそれも一理ありますね。正直分かりません、私には答えられない質問です。
Derke:私も分かりません。ですがprofek選手が良いことを言いましたね。
──Sayonara選手へ質問です。VITはヨーロッパ各地の選手やスタッフで構成されていますが、その中であなたはモルドバという、Tier 2シーンにおいてもあまり注目されていない国の出身です。自国を代表し、この大舞台に立ったことについてどのように感じていますか?また、モルドバの選手に向けてメッセージをお願いします。
Sayonara:自国を代表して戦えることを誇りに思っています。強い意志を持って挑戦し努力し続ければ、どこからでも大舞台に到達できるということを証明できたと思います。出身地や境遇がどうであれ、挑戦したいと願い、全力を尽くす限り、誰にでも必ずチャンスはあります。

──Jamppi選手へ伺います。2026年シーズンが幕を閉じました。今年1年の歩みをどのように表現しますか?また、今年のチームのパフォーマンスは、VITのアイデンティティを示せたと感じていますか?
Jamppi:少なくとも今大会では、来年に向けて見せたかった姿をある程度示せたと考えています。今年1年はジェットコースターのような激動の年でした。キックオフでは(年齢制限の関係上Sayonara選手がStage 1まで公式戦に出場できなかったため)Sayonara代役としてUNFAKE選手とプレイしており、新体制になった当初は、質問にあったアイデンティティの面で多くの課題を抱えていました。
Masters Londonで良い結果を出し、EWCでは振るわず、Stage 2のGroup Stageは良かったもののPlayoffsでは苦戦し、そしてこのChampionsで躍進しました。非常に勢いに左右されるシーズンでした。来年に向けて改善すべき最大のポイントは間違いなく一貫性です。どうすれば安定したパフォーマンスを維持できるかを探る必要があります。そして、このChampionsでの経験は来シーズンに向けて大きな自信を与えてくれるはずです。自分たちの実力や、どれほど良いプレイができるかを証明できたからです。
──Sayonara選手以外の全員に質問です。新人は最初のシーズンで多くのことを学びますが、彼のような才能あふれるルーキーと一緒にプレイしたことで、皆さんは彼から何を学びましたか?
Chronicle:彼が口を開いて話し出すと、世界最高のプレイヤーになるんですよ。
profek・Derke:彼が口を開いて話し出すと、世界最高のプレイヤーになるんですよ。
──Jamppi選手、その理由を詳しく教えていただけますか?
Jamppi:ええ(笑)EMEA地域の典型的な若手プレイヤーのように、口数が少なくてエイムだけに集中するというタイプではないからです。彼は非常に賢いプレイヤーであり、私が試合中に他のロールからイニシエーターに変更する時、Sayonara選手はキャリアを通してイニシエーターをプレイしてきたので、私を非常に助けてくれています。彼のゲーム理解度は私にとっても大きな助けになっています。私たちは彼をサポートし、彼もまた若きエネルギーでチームを盛り上げてくれます。彼が楽しんでプレイしている時は、チームの雰囲気も最高になります。
──PALコーチとJamppi選手へ伺います。今回の対戦の中で流れが自分たちからLOUDへと傾いた決定的なターニングポイントはどこだったと感じていますか?
PAL:第4マップのヘイブン、後半の3rdラウンドをLOUDに取られた時だったと思います。第1マップのサミットを落としたことを指摘する人もいるかもしれませんが、サミットでは勝利目前の良い位置まで持ち込めていましたし、選手たちがそれで落ち込むことはありませんでした。ロータスで自信を取り戻し、サンセットは遊び心を出しすぎて失敗してしまいましたが、それでも序盤は良い展開でした。ヘイブンに入り、前半を堅実にリードして折り返した後の、後半第3ラウンドで相手に流れを掴まれ、プレッシャーが一気に重くのしかかってきました。終盤のラウンドで素晴らしい巻き返しを見せましたが、ターニングポイントを挙げるなら間違いなくあのラウンドだったと思います。
Jamppi:私としては、PALコーチが言ったような特定のターニングポイントがあったというよりは、最後の最後までどちらに転ぶか分からない接戦だったと感じています。第1マップのサミットで9-3リードから逆転された時も、引きずることなく戦えていました。第4マップでもいくつかの重要ラウンドを落としましたが、試合が手から完全に滑り落ちたという感覚はありませんでした。プレイしている側としては、最後まで互角の勝負が続いていたと感じています。

──Chronicle選手へ伺います。Championsの決勝で準優勝となるのは今回で3度目となります。それでもなお、Championsのトロフィーを掴み取るための情熱の炎は胸の中で燃え続けていますか?
Chronicle:もちろん、これからも挑み続けますよ。他のタイトルでも世界王者の座を目指してキャリアを懸け続けた選手たちがいますし、Championsだけが唯一手にしていないタイトルなので、挑戦しない理由がない。一方で、何度も準優勝に入り続けていること自体、自分の一貫性の証明として誇りに思っています。もちろん決勝で勝ち切って優勝したいですが、今シーズン全体の道のりを振り返れば、準優勝という結果自体がすでに大きな成果であり、満足しています。
──Sayonara選手へ伺います。VCT初年度のルーキーとして、Championsに出場し、大観衆の前で準優勝まで上り詰めた経験について、今どのような感情を抱いていますか?また、今年1年全体を通しての最大の収穫は何でしょうか?
Sayonara:このChampionsでの快進撃は最初から夢のようでした。私たちは最初から素晴らしいプレイを見せ、まるで新しいチームのように生まれ変わって勝ち続けました。負けてしまったので今は悔しいですが、このメンバーと一緒に上海で1ヶ月間戦い抜けたことは、人生最高の経験の一つでした。今大会、そして今年1年全体にとても満足しています。
──このChampions Shanghaiで最も記憶に残っている瞬間は何ですか?また、ファンや観客へ向けたメッセージがあればお願いします。
Chronicle:私にとっては最初のLOUD戦がとても楽しかったです。LOUDは当時すでに素晴らしいチームで、そんな彼らを打ち破る糸口を見つけられたことで、自分たちはもっと上まで行けると確信できた最初の瞬間でした。その後の戦いにも大きく繋がった重要な試合でした。
Jamppi:私にとって最高の瞬間は、今日のGrand Final直前、全員が試合を楽しみ、自分たちがどこからスタートしてどこまで辿り着いたかを実感できた瞬間です。あとはみんなで行ったサウナの時間も最高でしたね。ここにいる全員に心から感謝しています。
PAL:私にとっては、開会式が行われている最中にコーチ陣と交わした会話です。彼らが私の方を向いて、「フランチャイズ制のこの時代の終わりを一緒に見届け、そして選手たちが優勝をかけてあのステージへと歩き出していく姿を見られるなんて、なんて恵まれたことなんだろう」と言ってくれたんです。あの瞬間が最も印象に残っています。
slk:私にとっては、初めてオフラインの国際大会のステージに立ち、自分の目でその光景を見たこと、そして最初のGE戦が一生記憶に残り続けると思います。
──profek選手へ伺います。今シーズンは浮き沈みの激しい1年だったと思いますが、もしご自身のシーズンを1から10のスケールで評価するとしたら、何点をつけてその理由は何でしょうか?
profek:正直なところ点数をつけるのは好きではありません。ただ、過去にどのような困難があったとしても、私たちが達成したこと、そしてチームが見せた戦いぶりについて、自分自身とチーム全員を誇りに思っています。この大会に入ってからは毎日全員が笑顔で過ごしていました。皆がここにいられることを純粋に喜んでいた、その事実だけで私にとっては10点満点です。

──VITのJamppiです。最後にコーチ陣に向けて質問です。私たち選手が仕事をこなしている過去5週間、すこし休みをとっていたコーチ陣の皆さん、明後日帰国した後のオフシーズンの予定は決まっていますか?
Scuttt:しばらくVALORANTには一切触りません。
PAL:ゲームの近くにも寄り付きたくないですね。
slk:冬眠します。
──選手の皆さんのご予定は?
Chronicle:私は引っ越しですね。
profek:サウナに?
Jamppi:サウナに「引っ越し」?(笑)
Derke:私はフィンランドに帰ります。
Chronicle:次の2〜3週間は休みもなく、かなり慌ただしくなりそうです。ね、PALコーチ。
PAL:私は休むよ、Chronicle。
Jamppi:今年一年応援してくれたすべてのファンの皆さん、本当にありがとうございました。今年一年をとても楽しいものにしてくれました。改めてありがとうございました。感謝の言葉はこれで十分でしょう(笑)

今回勝利したLOUDは見事Champions Shanghaiの王者となりました。
敗北したVITの最終成績は2位となりました。
ふぉかっちゃ
好きな選手はSugarZ3ro、今の推しチームはNS