DRX vs Paper Rex 伝統の一戦の歴史

2025年の最強チームを決めるVALORANT Champions Paris、トップ4も出揃い、いよいよ終盤です。そして、2025年10月3日、トップ3を賭けてDRX vs Paper Rex という伝統の一戦が始まります。

負ければ敗退、勝てばトップ3という天王山の戦い、VCT Pacificを代表する2チームによるこの戦いは、これまでどれほど行われ、どちらが勝ってきたのでしょうか。本記事ではこの対戦カードに注目し、その歴史を振り返っていきます。

2021 Masters Berlin

時は2021年に遡ります。
VALORANT Champions Tourが始まってから2回目の世界大会、今や誰もが知る2チームによる対戦は、ここで初めて行われました。

まだDRXがVision Strikersという名前だった時代です。
当時のVision Strikersのロースターは、MaKo、BuZz、stax、Rb、k1Ng。
当時の彼らはアジアの大会を総なめし、なんと公式戦100連勝という凄まじい記録を打ち立てていました。

対するPaper Rexのロースターは、f0rsakeN、d4v41、mindfreak、Benkai、shiba。
まだJingggもいない時代です。
東南アジア地域を勝ち抜いてこの大会に出場したものの、まだまだ名の知れていないチームでした。

グループステージ1戦目でこの2チームはぶつかります。
結果は2-0でVision Strikersの勝利。
勝利後にstaxは「紙(Paper)を破る」というちょっとしたパフォーマンスも見せました(下記写真)。

この対戦では、ジェットを使用していたf0rsakeNが2マップ合計でACS294というかなりのスタッツを叩き出し、注目を浴びました。

しかし、Paper Rexはその後も勝利を挙げられず、2021年の世界大会からは姿を消します。
Vision Strikersはグループステージを突破するものの、その後優勝するGambit Esportsに敗れ、5-8位でこの大会を終えました。

2022 Masters Reykjavik

次にこの2組が相まみえるのは2022年。
そう、ZETA DIVISIONが世界3位という快挙を成し遂げたMasters Reykjavikです。

DRXのロースターはMaKo、BuZz、stax、Rb、Zest。
グループステージを1マップも落とさずに突破し、プレイオフに駒を進めます。

彼らが行ったアイスボックスのBセット(ミッドをバリアオーブで塞ぎ、ジェットがスパイクをもって最速でコンテナ上設置)は、当時かなり話題になりました。

Paper Rexのロースターは、f0rsakeN、Jinggg、d4v41、mindfreak、Benkai。
アジア太平洋地域のChallengersを突破し、シード権を得てプレイオフからこの大会に出場しました。

プレイオフ1回戦目に早速両者は激突します。
1マップ目はヘイブン。レイナをピックしたJingggが驚異的な2v4クラッチをもぎ取り、Paper Rexが13-10で勝利。

しかし続く2、3マップではDRXがどちらも13-8で勝利し、W Gamingを抑え込みました。

その後、両チームはローワーブラケットにてZETA DIVISIONに敗北。
あのスプリットAヘブンのヴァイパーズピットと、f0rsakeNのマーシャルは、大会を見ていた方ならば誰もが覚えていることでしょう。

あと、残されたBenkaiも。

その後、両チームともにMasters Copenhagen、Champions Istanbulに出場しますが、直接対決はしていません。
ただ、両者ともかなりの好成績を残しており、アジアを代表する強豪チームとしてその名を轟かせました。

2023 VCT Pacific

Riotの審査を通った10チームによる、VCT Pacific、EMEA、Americasがこの年から始まりました。
(VCT Chinaは2024年から)

この時のDRXは、先の5人に加えてFoxy9が加入し、Zestに代わって出場していました。
一方でPaper Rexにもこの頃somethingが加入。
マップごとに出場選手を入れ替えていました。

総当たり戦が始まり、Week4にて両者は激突。
結果はDRXが見事2-0で勝利します。

この頃のDRXはかなり余裕があり、新人のFoxy9がBuZzに代わってデュエリストを担当。
総当たり戦では8勝1敗で1位を獲得しました。
ちなみにその1敗は大物喰らいのTeam Secretによるものです。

Paper Rexも負けてはいません。
DRXには敗北を喫したものの、「俺たちに足りないのは火力だった。」といわんばかりの勢いでsomethingとともにあらゆるチームをなぎ倒し、7勝2敗で2位につけます。
ちなみにもう1敗も大物喰らいのTeam Secretによるものでした。

そしてプレイオフが始まり、両チームともアッパーファイナルに駒を進めます。
その試合ではついに、Paper Rexが2-0で勝利。
4度目の正直となりました。
しかも1マップ目13-5、2マップ目13-6というスコアでの圧勝です。

Paper Rexは総当たり戦の途中から選手交代をやめ、f0rsakeN、Jinggg、d4v41、mindfreak、somethingの固定ロースターに。

一方で負けてしまったDRXは、ローワーファイナルでなんとfoxy9からZestにメンバー変更。
その影響でロールも一部変更という策を打ちます。

それでもうまくいってしまうのがDRX。
T1相手に激戦の末3-2で勝利し、グランドファイナルにて再びPaper Rexと相まみえることになりました。

そして迎えたグランドファイナル。
1マップ目、2マップ目をDRXが先取します。

しかしここで終わらないのが新生Paper Rex。
その後2マップを取り返します。

迎えた最終マップはバインド。
Paper Rexはなんと、レイナ、ハーバー入りのとんでもない構成を披露。

しかしそれこそがPaper Rex。
somethingがACS292を叩き出し、見事13-6で勝利。
Pacific全体のMVPも獲得し、その王座を勝ち取りました。

Masters Tokyo ~ Champions Los Angels

そしてきたるはMasters Tokyo。
DRXはグループステージを勝ち抜け、プレイオフ初戦でシードのPaper Rexと再び対戦します。
2023年通算4回目となる対決です。

ここでPaper Rexを思わぬアクシデントが襲います。
ビザ問題により、Pacific MVP、somethingが日本に来られなかったのです。
代役としてcgrsが参戦しましたが、勝ち進むのは難しいと思われていました。

が、全然大丈夫心配無用。
Jingggが2マップで驚異のACS323を記録し、2-0で勝利します。

一方でDRXは悔しい負け方になりました。
この大会にもFoxy9含む6人態勢で出場。
グループステージ2戦目、Evil Geniuses戦で敗北すると、次の試合からZestに交代するという、心配になるような戦い方をしていました。

結果、プレイオフでPaper Rex、NRGに1マップもとれず敗北し、東京(千葉)から姿を消しました。

その後のPaper Rexはというと、代打cgrsの大活躍もありローワーファイナルまで進出。
そこでEvil Geniusesに敗れますが、大健闘といえる結果を残し、幕張メッセを熱狂させました。

Riotさん、Masters Tokyo、もう一回やってくれませんか?

その後Champions Los Angelsに両チームともフルメンバー(DRXは初戦からZest入り)で出場し、プレイオフに進出しますが、対戦はかなわず。

DRXは5-6位、Paper Rexは2位で2023年を終えます。

2023年を通してPaper Rexは大躍進を遂げますが、一方でDRXは満足いかない結果となりました。

毎回国際大会には出場しているものの、優勝は厳しいのではないか、なにか変革が必要ではないか・・・という意見が囁かれていました。

2024 VCT Pacific Kickoff ~ Masters Shanghai

2024年、DRXは変革を行いました。
Rb、Zestに代わって正式にFoxy9、そしてアカデミー上がりの新星、Flashbackを起用します。

そして2024年最初のトーナメントであるPacific Kickoffでは、DRXは3-4位で敗退。
国際大会の連続出場記録を逃してしまいます。

Paper Rexは2位でMasters Madridに進出し、そこで3位を記録しました。
直接対決はありませんでした。

Paper Rexはこのころ、Jingggの兵役によりMonyetが入って…といったドラマが2023年のChampionsから色々ありましたが、本筋からそれるので割愛します。
(Pacific Stage1からはJingggが再加入)

そして始まった2024 VCT Pacific Stage 1。
DRXはFlashbackが一時離脱するものの、アカデミーチームからBeYNを起用し、MaKo、BuZz、stax、Foxy9、BeYNという布陣で挑みます。

DRXはグループステージを5勝無敗で1位通過。
Paper Rexは4勝1敗で2位通過となりました。

そしてプレイオフ、アッパーセミファイナルにて、およそ1年ぶりにDRX vs Paper Rexが実現。
結果は2-1でPaper Rexの勝利。

最終マップのバインドでは、somethingがレイナではなくゲッコーを使用し、ACS297を叩き出しました。

その後Paper Rexは見事優勝し、Masters Shanghaiに駒を進めます。
一方でDRXはGen.Gに敗退し、再び国際大会への切符を逃してしまいます。

その後のMasters Shanghaiでは、Paper RexはプレイオフでG2 Esports、100Thievesに敗れて敗退。
「W.Gaming」と呼ばれるそのプレイスタイルが、特にAmericasのチームには通用しなくなってきました。

優勝したのはDRXを下したGen.G。
Pacificチーム初の国際大会優勝を成し遂げ、DRXは韓国最強の座を名実ともに明け渡すことになってしまいました。

2024 VCT Pacific Stage 2 ~ Champions Seoul

ここでDRXは、長年IGLをつとめていたstaxが脱退。
MaKoがIGLを担うことになります。

メンバーはMaKo、BuZz、Foxy9、BeYN、Flashback。
シーズン途中のメンバーチェンジ、しかもIGLの変更となり、かなり不安視されました。

そんな中、グループステージで早速DRX vs Paper Rexが実現。
結果はまたもやPaper Rexが2-1で勝利。
DRXは1年以上Paper Rexに勝てていないことになります。

その後、Paper Rexは5勝無敗でグループステージを突破。
DRXは3勝2敗で突破します。

そして迎えたプレイオフ、ローワーファイナル。
再び伝統の一戦が幕を開けます。

2023年のVCT Pacificグランドファイナルと同じロースターのPaper Rexに対して、3人の変更があったDRX。
対照的となった両チームの対決は、まずPaper Rexが2マップを先制。
今回も同じ結果かと思われました。

しかし、DRXが執念を見せます。
その後2マップを取り返し、最終マップはアセント。

1年前と同じくsomethingがレイナをピックしますが、13-7でこのマップを取り切り、3-2の逆転劇でDRXが勝利しました。
実に1年以上ぶりのことでした。

その後、Champions Seoulに両チーム出場します。
Paper RexはG2 Esports、EDward Gamingに敗北し、グループステージで姿を消します。DRXはグループステージを無事に突破。その後プレイオフにて、Sentinels、Team Hereticsに敗れ、昨年と同じ5-6位で幕を閉じます。

この時点でのDRX vs Paper Rexは、2021年から数えて9戦行っており、DRXの4勝、Paper Rexの5勝という結果になっています。
リーグが発足した2023年から数えるならば、DRXの2勝、Paper Rexの5勝で、Paper Rexが勝ち越しています。

2025 VCT Pacific Kickoff

2025年最初のトーナメントでは、直接対決はありませんでしたが、両チームは対照的な準備と結末を迎えます。

まずPaper Rexですが、一切のロースターチェンジを行いませんでした。
f0rsakeN、d4v41、mindfreak、Jinggg、somethingという5人で約2年間続けていることになります。
結果を残しているとはいえ、世界的に見てもこれほど変更を行わないチームは珍しいです。

初戦のT1戦を落とすと、ZETA DIVISIONに勝利を収めますが、Detonation FocusMeに0-2で敗北。
しかも2マップ目は1-13という苦しい内容でした。
「日本チームが勝つのは嬉しいけれど、こんなPaper Rexは見たくなかった」という感情を抱いたファンも多いことでしょう。

一方でDRXはというと、2人のロースターチェンジを行いました。
BuZz、Foxy9が脱退し、HYUNMIN、free1ngが加入。
これで旧Vision StrikersのメンバーはMaKoしかいないことになりました。
物寂しさを感じたのを覚えています。

ところが、生まれ変わったDRXは大躍進、無敗でグランドファイナルに進出し、そのままPacific Kickoffを優勝。
どんなにロースターが変わっても、DRXはDRXのままだったのです。

2025 VCT Pacific Stage 1 ~ Masters Toronto

VCT Pacific Stage1が始まると、両チームは同グループに振り分けられ、順位を争うことになります。
そしてWeek1からこの対決は実現します。

結果はDRXが2-1で勝利。
若きエイマーを迎え入れたDRXの勢いは、とどまるところを知りません。
そのまま4勝1敗、グループ2位でプレイオフに進出します。

1位はPaper Rex・・・ではありません。
彼らは一向に調子が上がらず、Week4まで勝利を挙げられませんでした。
すると彼らはNAOS EsportsからPatMenを起用、mindfreakと交代する旨が発表されました。
実に2年ぶりのロースター変更となります。

その後Detonation FocusMeに辛勝し、なんとか2勝3敗でグループを抜けます。

両チームプレイオフに進出し、ローワーにて再びDRX vs Paper Rexが実現します。
勝てばMasters Toronto出場、負ければ敗退という重要な一戦。
結果は2-0でPaper Rexの勝利。

PatMenは、Paper Rexのラストピースだったのです。

一方でDRXは、グループステージの途中でFlashbackが突如離脱し、Estrellaが加入。
その影響もあってか、その後調子が上がりきらず、Rex Regum Qeon、Paper Rexに敗戦。
国際大会の出場権を逃してしまいます。

その後のMasters Torontoにて、Paper Rexはアッパー側から優勝を決めます。暗黒期から一転、絶頂期ともいえる強さを発揮していました。

2025 VCT Pacific Stage 2 ~ Champions Paris

ここからは記憶に新しいでしょう。
両チームは別グループに割り振られ、両チームともにグループステージを4勝1敗の首位で突破。

しかし、DRXはプレイオフで1勝も挙げられていません。
このときのロースターは、MaKo、Flashback、HYUNMIN、free1ng、Estrellaの5名です。

一方でPaper Rexはプレイオフでも調子を落としませんでした。

あとは皆さんご存知の通り、東京(千葉)の地で行われたグランドファイナルにて、ほぼ完璧な内容で優勝を飾ります。

そして、Champions Parisが始まりました。
Paper RexはPacific1位、DRXはサーキットポイント制の恩恵を受ける形で、Pacific4位としてこの大会に出場しています。

彼らはBeYNを呼び戻し、MaKo、Flashback、BeYN、HYUNMIN、free1ngの5人で挑んでいます。

Paper Rexはグループステージ1位でプレイオフに出場しますが、その後スタンドインメンバー入りのFNATICに悔しい逆転をされてしまい、ローワーブラケットからベスト4へ。

DRXは何度も逆転負けを経験しつつも、MIBRに勝利し同じくローワーブラケットからベスト4に入っています。

そして、2025年10月3日より、通算12回目のDRX vs Paper Rexが始まります。
現在はDRXが5勝、Paper Rexが6勝。

永遠のライバルともいえる両チームが、世界最高峰の舞台でぶつかります。

皆さんはどちらが勝利すると思いますか?
このPacific最強を決める一戦を、決して見逃してはいけません。

盛り上がれ!

waddle

プレイ歴1年、競技シーン視聴歴5年のファン。好きなチームはGambit。

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