約束された名勝負、G2 vs PRX の歴史

Kickoffが終わり、2026年初の国際大会、Masters Santiagoが間もなく始まります。初戦の対戦カードも決まっており、G2 Esports vs Paper Rex が再び実現しました。国際大会で度々行われ、ハイレベルな対戦を繰り広げてきたこのマッチアップは、今までどれほど行われてきたのでしょうか。その勝敗や対戦内容を振り返っていきましょう。
まずはこの2チームについて振り返っていきましょう。
PRXは、2022年ごろから頭角を現した東南アジアの強豪チーム。世界最強のフレックスプレイヤーであるf0rsakeNを筆頭に、フィジカルの高いプレイヤーがそろっています。そのプレイスタイルは「Wゲーミング」ともいわれており、攻めでも守りでも前へ前へ。速いテンポと驚異的な撃ち合いの強さで相手を飲み込んでいくチームです。また、選手個人の勝負勘のもと単独で仕掛けるシーンも多く、それによってラウンドを落とすこともしばしば。2023年からVCT Pacificのパートナーチームとして数々の結果を残しており、世界的にも人気なチームです。

G2は、現在VCT Americas屈指の強豪チームです。元々は、The GuardというチームでChallengersシーンで戦っていました。そして2023年のAscensionにて優勝、2024年からVCT Americas参入を果たしますが、諸事情によりThe Guardがパートナーシップチームとして認められず。そのロスターを丸ごとG2が買い取り、Tier1昇格となりました。そのプレイスタイルは、完成度の高い戦術で相手を翻弄する美しいVALORANT。エイムももちろん強いですが、それを活かすきれいなマクロあってこそのG2でしょう。Americasでは何度も優勝しており、Masters、Championsでも優勝候補に挙げられている一方で、優勝経験はありません。「無冠の帝王」の戴冠を楽しみにしているファンも多くいることでしょう。

彼らの初対戦は2024年、Masters Shanghaiでのことです。この頃はPRXがf0rsakeN / Jinggg / d4v41 / something / mindfreak、G2は icy / trent / valyn / JonahP / leaf というロスターでした。Gen.GがPacific勢初の優勝を果たしたこの大会で、名マッチアップが初めて実現しました。シードのPRXと、スイスステージを突破したG2によるプレイオフ1回戦、1マップ目は序盤からPRXらしい攻めで11-1と圧倒。その後このマップを取り切りますが、2マップ目からG2が対応していきます。PRXのプッシュをしっかりと読み切り、カウンターや詰め待ちで冷静に対応。こうして2マップ目を13-10でG2がとりきり、3マップ目はG2が圧倒、2-1でG2が勝利します。Pacificでは通用していたPRXの速い攻めに、G2が上手く対応した対戦でした。その後、PRXは100 Theivesに敗北、G2はローワーファイナルでTeam Hereticsに敗北しました。PRXにとっては、その勢いのあるプレイスタイルがAmericasのチームに通用しなかったともいえる大会でした。一方でG2は、初の国際大会、Ascension上がりで3位という好成績を残します。これ以降、G2は優勝候補として挙げられるようになりました。

その後各地域のStage2にて、G2はその強さを維持し2位、PRXはStage1ほどの存在感はなかったものの、3位でChampions進出を果たします。そして、Champions Seoul グループステージ1回戦にて、彼らは二度目の邂逅を果たします。その試合内容ですが、終始G2が圧倒。攻め、守りともにPRXをコントロールし、冷静に攻略していきます。その結果、13-8、13-9でG2の勝利。G2は、Masters Shanghaiでの対戦と同じような、いやそれ以上に完璧なPRX対策を見せ、この後プレイオフまで進みます。一方でPRXにとっては手痛い敗北となり、国際大会では自分たちの今のプレイスタイルが通用しないと思わされた対戦でした。昨年のChampions2位から一転、PRXはこの後、EDward Gamingに敗戦しグループステージで姿を消します。
VCT2025開幕前、G2はロスターを変更、icyに代わってJAWGEMOが加入し、全く隙のないロスターでKickoffに臨みました。この補強は大成功、ほとんどマップすら落とさずにKickoffを優勝。Masters Bangkokまで駆け上がりました。JAWGEMOのヨルとtrentのテホ、そしてleafのチェンバーを活かしたVALORANTは完璧というほかなく、惚れ惚れする戦術を世界に見せつけました。そうしてMasters Bangkokでは2位入賞、惜しくも優勝には届かなかったものの、素晴らしい活躍を見せました。
一方でPRXは、暗黒期ともいえるほど成績が低迷。Championsでの結果を引きずるように、KickoffではDFMに完封され7-8位で敗退。ロスター変更なしでこの大会に臨みましたが、なんらかの変革が求められていました。
PRXはStage1の中盤でロスター変更を実施、mindfreakに代わってPatMenが加入します。この補強は成功し、プレイオフ進出が危ぶまれていたところから、見事Stage1では3位入賞、Masters Torontoに駒を進めます。
Masters Torontoプレイオフ初戦、通算3回目の対決が行われました。ちょうど一年前のMasters Shanghaiとはうってかわって、G2がシード、PRXがスイスステージからの勝ち上がりです。PRXは一年前とは違います。その勢いや速いミクロの連携はそのままに、PatMenのラークを活かした揺さぶりや緩急をつけたプレイを取り入れました。決してプッシュするだけではありません。G2も仕上がっていましたが、PRXに一歩及ばず。2-0でPRXがこの対決を制しました。PRXはG2、ひいてはAmericasのチームを克服した試合といえました。さらにはこの後、PRXは無敗でこの大会を駆け抜け、見事優勝。暗黒期から一転、PatMenというラストピースを手に入れ、恐竜の時代を築き上げたのです。

その後PRXは、Pacific Stage2で圧倒的な強さを誇り優勝。グランドファイナルすら、相手を圧倒する完成度でした。対してG2にはアクシデントが訪れます。世界屈指のセンチネル、leafが病気により一時離脱。元キャスターのBABYBAYが加入し、戦うことになりました。さすがに厳しいかと思ったのですが・・・、BABYBAYは最強でした。チームとしての強さは全く衰えず、グループステージを4勝1敗で突破、プレイオフのアッパーファイナルからleafが帰還したのですが、結局leafも最強でした。アッパーファイナル、グランドファイナルと1マップも落とさず、Americasの帝王として君臨しました。
そして迎えたChampions Paris、またもプレイオフ初戦で両者相まみえます。お互いに地域で最強の座を手にし、優勝候補筆頭の二組による四度目の対戦は、本当にレベルの高い、素晴らしい対戦となりました。1マップ目から両者一歩も譲らず、それぞれのチームの良いところがふんだんにあらわれます。美しい戦術、勢いのある連携、見ごたえのある撃ち合い、目まぐるしくかわる展開の末、結果は13-11、13-15、13-11の、マップカウント2-1でPRXの勝利。全マップフルラウンドという大激戦でした。個人的にこの試合は、2025年最も面白かった試合でした。BO3とは思えないほど濃密であり、見てよかったと思える対戦です。やはり二組とも優勝候補だな、と思ったのもつかの間、G2はこの後まさかの2連敗、PRXは次戦で敗北し、その後DRXに敗れ4位に終わります。最もレベルが高いともいえる対戦の後、その2チームは道半ばで敗れるという、現代VALORANTの難しさ、予想のつかなさを象徴した試合でもありました。

こうして、G2 vs PRX は今まで4度の公式戦が行われ、戦績は2-2、直近はPRXが2連勝しています。そして2025年のVCTが終わると、両チームはロスター変更を行いました。PRXはPatMenに代わりinvyが加入、G2はJonahPに代わりBABYBAYが正式加入しました。その後、オフシーズン大会でぶつかり、PRXが2-1で勝利しています。
4度の公式戦と、1度のオフシーズン大会で対戦している両チームが、Masters Santiagoで再び激突します。何の因果なのか、彼らは毎回、グループステージ、もしくはプレイオフの初戦で対戦しており、今回も例に漏れず初戦です。
不安はあったものの、最後にはその圧倒的な強さを取り戻し、Pacific3位通過を果たしたPRX、2デュエリスト構成に適応し、魔境Americas2位通過を果たしたG2。次の対戦では、どちらに軍配が上がるのでしょうか。Masters Santiagoは2月28日の深夜26時より開幕、G2 vs PRXは3月1日の26時より試合開始です。
waddle
プレイ歴1年、競技シーン視聴歴5年のファン。好きなチームはGambit。