VCT Kickoff攻撃・防衛ラウンド取得率の散布図が話題に ― NSが攻撃圧倒的1位、日本勢の現在地を考察

2026年のVCT Kickoffが終了し、各リージョンの上位3チームは「Masters Santiago」に向けて準備を進めています。

今回、Redditで話題になっていたのが、Kickoff参戦チームの攻撃・防衛ラウンド取得率をまとめた散布図です。本記事では、その図をもとに各チームの特徴を整理・考察していきます。

グラフの概要

このグラフは、各チームの

  • 横軸:攻撃ラウンド勝率(Attack Win %)

  • 縦軸:防衛ラウンド勝率(Defense Win %)

を示した散布図です。

中央の50%ラインを基準に、以下の4つのゾーンに分類されています。

  • 右上:攻守ともに平均以上(バランス型の強豪)

  • 左上:守り型チーム

  • 右下:攻め型チーム

  • 左下:攻守ともに平均未満(苦戦傾向)

この図を見ることで、各チームのスタイルや強みが一目で分かります。

Nongshim RedForce ― 圧倒的な攻撃力

まず注目したいのは、VCT Pacificで1位通過を果たしたNongshim RedForce(NS)です。

NSは攻撃ラウンド取得率が約66%と、全チーム中トップクラス。2番手のT1が約61%であることを考えると、その差は明確です。

この高い攻撃力の要因として、Dambi選手のネオンを軸としたアグレッシブな戦術が挙げられます。2024年のAscension時代から注目されてきたプレースタイルが、現在も強烈な武器になっていると言えるでしょう。

T1 ― IGLの力が光る攻撃

Pacific 2位通過のT1も、攻撃面で高い数値を記録しています。

Munchikin選手はチームのIGLとして攻撃の組み立てを担っており、VALORANT Masters Shanghai 2024でGen.G所属として世界一を経験しています。

VALORANTでは攻撃面にIGLの色が出やすいと言われています。ラッシュかフェイクか、どのサイトを攻めるかなどの判断が勝率に直結します。T1の61%という攻撃勝率は、IGLの戦略力が大きく影響していると考えられます。

Xi Lai Gaming ― 鉄壁の守備力

防衛勝率トップはXi Lai Gaming(XLG)です。

XLGの特徴は「ツーコン構成(コントローラー2枚編成)」を多用する点にあります。スモーク枚数が多いため、メインの封鎖や耐えの展開がしやすく、防衛が安定しやすい構成です。

さらに、中国チームはフィジカルが強いと評されることが多いですが、XLGも例外ではありません。構成と個人技が噛み合った結果、防衛面で突出した成績を残していると考えられます。

Paper Rex ― 変化の途中段階か

「超アグレッシブな戦法」で知られたPaper Rex(PRX)は、攻撃勝率が約51%とやや控えめな数値でした。

Kickoffではsomething選手がチェンバーやヴィトーを使用するなど、色々と試しているところがありました。その影響により、従来とは異なる構成が影響している可能性があります。これまでの爆発力とはやや異なる印象を受けるものの、チームの進化過程にあるとも言えるでしょう。

Rex Regum Qeon ― 極端な攻守バランス

Rex Regum Qeon(RRQ)は、防衛勝率が約37%と非常に低い数値を記録しています。

しかし、Pacific 4位という成績を残していることから、攻撃面でその弱点を補っていることが分かります。

直近のDetonatioN FocusMe戦のヘイブンでも、前半は劣勢ながら攻撃で巻き返して勝利しました。攻撃力で試合をひっくり返せる爆発力は健在です。

日本チームの現状

DetonatioN FocusMe(DFM)

DFMは攻撃約48%、防衛約50%と、非常に平均的な数値です。

攻守ともに大崩れしない安定感があり、総合力は高いと言えます。ただし、国際大会出場を狙うためには、グラフ上で「右上」へもう一段階引き上げる必要があるでしょう。

ZETA DIVISION(ZETA)

ZETAは、防衛が約35%と苦戦傾向にあります。一方で、攻撃はPRXよりも高い数値を記録しています。

IGLを務めるSugarZ3ro選手のマクロ戦術は機能していると考えられます。防衛が安定すれば、上位勢と互角に戦える可能性は十分にあるでしょう。


まとめ

今回の散布図は、単なる勝敗結果では見えにくい「チームの個性」を可視化したデータです。

攻撃で試合を破壊するチーム、守備で堅実に積み上げるチーム、そして両面で完成度を高めているバランス型 ── それぞれの現在地が明確になりました。

Masters Santiagoでは、この「数字で見えた強み」が国際舞台でも通用するのか、それとも新たな課題が浮き彫りになるのかが大きな見どころとなります。

各チームがこの位置からどの方向へ進化していくのか。
今後のMasters、そしてVCTから目が離せません。

なる

24歳のライター。推しのVALORANTプロ選手はkaajakとsato。
ArcaneやChampionsスキンなどの限定スキンに弱く、すぐに課金してしまう癖がある。

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