どの地域も波乱のVCT 2026 ─ Masters Santiagoは”異色の顔ぶれ”となるか

2月1日に行われたDRX対T1の試合を以て、全地域のVCT 2026 Kickoff Week2が終了しました。今大会の折り返し地点である現在、どの地域も下馬評を大きく覆すような展開となっており、今年最初のMastersは出場チームの顔ぶれががらりと変わる可能性が浮上しました。
この記事では、現時点での各地域の情勢、局面についてまとめています。
まずは、日本からの視聴者も多いであろうVCT Pacificです。
最も大きなトピックは、やはり世界を相手にするDetonatioN Focus Me(以下、DFM)の大健闘ぶりでしょう。

直近に行われたGlobal Esports戦の同時視聴者数は一時4.4万人にまで上り、X(旧Twitter)では「#DFMwin」の文言がトレンド2位を記録するなど、コミュニティからの注目度が非常に高いことが伺えます。
レイキャビクで表彰台に上がったZETA DIVISIONの大躍進以来、常に苦い経験をし続け、世界との差を感じざるを得なかった日本チームが、今再び国際大会の舞台へと歩を進めています。
「安心して見ていられる」との意見も多く、これまでと比較しても抜群の安定感を誇るDFMですが、Masters出場までに乗り越えなければならない壁がまだあります。
6日にはPrimmie率いるFULL SENSEとの対戦が予定されており、その試合に勝利した後にも、Paper RexもしくはT1という強大な敵が待ち構えています。
一方、アッパーブラケットからはPaper Rex、T1、Gen.G Esports、DRXといった世界大会常連のチームが姿を消しました。代わって絶好調で走り抜けたRex Regum QeonとNongshim RedForceが、Masters出場枠をかけて13日に争います。


ロウワーブラケットにはTeam Secret、ZETA DIVISION、VARREL、Gen.G Esports、Global Esports、DRXが位置し、Masters出場最後の一枠を狙っています。
遠い海の向こう側でも大波乱が巻き起こっています。
VCT Americasにおいて、コミュニティ内で「最弱」と称されてきたFURIAが、アッパーブラケットファイナルへと進出。現世界王者NRGとの戦いを制したMIBRと対戦します。
選手5人全員を入れ替えるという大胆な決断を下したFURIAですが、その選択は大成功を収めているようです。

FURIAと同じくMasters出場まであと一歩の所まで来ているMIBRは、Kickoff開催前からコミュニティで注目を集めており、今大会における活躍でファンの期待に応える形となっています。

FURIAとMIBRはどちらも南米をホームとするチームであり、南米チームのMasters出場が確約されたことは、チリ・サンティアゴでの開催を控えるファンにとって非常に喜ばしい状況と言えるでしょう。
一方、LOUD、KRU Esportsもラテンアメリカを拠点とするチームですが、この2チームは既に敗退が決定しており、NRG、Sentinels、G2、Leviatan等の強豪チームもミドルないしロウワーブラケットまでの転落を余儀なくされています。
VCT EMEAではGentle Matesが1マップも落とすことなくアッパーブラケットファイナルへと進出しています。FURIAと同様、前年はコミュニティ内での評価が高くなかったこともあり、SNSや掲示板等で驚きの声が上がっています。

Gentle Matesの対戦相手はBBL Esportsで、こちらもTeam VitalityやFnaticといった強豪を相手に連勝しており、Masters進出をかけた激しい戦いが予想されます。

Fnatic、Natus Vincere、GIANTX、Team Vitalityといった、Masters出場有力候補とされてきたチームが全てミドルブラケットに集結しており、生き残りをかけた強豪同士の熱戦が繰り広げられています。
Team Liquid、Team Hereticsはロウワーブラケットに位置しており、それぞれ後がない状況に追い込まれています。
これまでに紹介した3地域がダークホースにトーナメントを荒らされているのと比較すると、中国リージョンのKickoffは概ね「事前評価」と一致する展開となっています。
アッパーブラケットファイナルに進出したのは、昨年度も国際大会に出場したXLG Esports、そしてAll Gamersです。
XLGは今大会、新たな選手として以前はWolves Esportsに所属していたLysorを加えたロスターで参戦。現在のところ、全てのマップを勝利して現在の位置まで進出しています。
All Gamersは、これまで国際大会への出場経験はありませんが、去年までのVCT Chinaでは5位-6位終了の「中堅」ポジションをキープし続けていました。今大会では、その秘められたポテンシャルがついに発揮される形となっていますが、All Gamers初のMasters進出となるでしょうか。
一方で、sScaryの現役復帰と同時に加入が発表されたFun Plus Phoenixは、今大会では勝利を上げること無く敗退となっており、コミュニティでは同チームからGlobal Esportsへと移籍したAutumnについての言及が多く見られました。
各地域、これまでにない程の波乱の展開となっている2026年シーズン、Masters Santiagoでは、これまでとは雰囲気の異なる試合が見られるかもしれません。
これから各地域ではWeek3が始まり、Masters出場をかけた激戦に更に熱が入っていきます。
各地域のダークホース、そして日本チームの活躍から目が離せません。
黒瀬
猫となかよく