ヨルメタの終焉で何が変わったのか?─スタッツから見る選手の変化と適性
VALORANTの国際大会シーンであるVALORANT Champions Tourにおいて、プレイヤーのスタッツを公開しているXアカウント「statsmeister Valorant」から、興味深いデータが共有されました。
今回注目されたのは、エージェント「ヨル」の弱体化、いわゆる“ヨルメタ”終了による影響です。
Kickoffの時点では、ヨルは環境の中心とも言える存在であり、多くのチームが採用していました。しかし、Patch 12.05にてゲートクラッシュ(テレポート)の有効時間が15秒に短縮され、さらにブラインドサイド(フラッシュ)が1回に減少。これによりヨルの採用率は大きく低下しました。
現在進行中のStage 1では、ヨルに依存しない新たなメタが形成されつつあります。まだ試合数は多くないものの、すでにその影響は各所に表れ始めています。
特に顕著な変化が見られるのが、Gentle Matesに所属するmarteen選手です。
彼はKickoffから一貫してヨルを使用し続け、圧倒的なスタッツを記録してきました。中でもBBL EsportsとのUpper Finalでは、5マップで106キルを記録。平均すると1マップあたり約21キルという驚異的なパフォーマンスを見せています。
その後のVCT Masters Santiagoでもヨルを使用し続け、例外的にNongshim RedForce戦のカロードでのみフェニックスを採用しました。
しかし、ヨルのナーフ後に迎えたStage 1では、フェニックスやウェイレイ、レイズといった他のデュエリストへと移行。statsmeister Valorantのデータによると、ヨル使用時には1.33だったレーティングが、他エージェントでは0.85まで低下しています。
この変化からは、marteen選手のプレイスタイルが色濃く反映されていると考えられます。ドライピークや個の撃ち合いに強みを持つmarteen選手にとって、ヨルの性能は非常に噛み合っていた可能性があります。
とはいえ、悲観する必要はありません。直近のNatus Vincere戦ではフェニックスとレイズを使用し、レーティング1.45を記録。チームも2-0で勝利を収めており、その実力は依然として健在です。
今後、marteen選手が新たなメタにどのように適応していくのか、そしてGentle Matesの戦いにも引き続き注目が集まります。

一方で、ヨルメタの終了がプラスに働いている選手も存在します。FULL SENSEのPrimmie選手です。
Primmie選手はヨルメタ環境ではレーティング1.23を記録していましたが、新たなメタでは1.53と大きく数字を伸ばしています。
直近のDetonatioN FocusMe、ZETA DIVISION戦では、フェニックスやウェイレイを使用。DFM戦で1.54、ZETA戦で1.52と高水準のパフォーマンスを発揮しました。
この結果から考えられるのは、Primmie選手はヨルよりも、エントリー性能の高いデュエリストを得意としている可能性があるという点です。ヨルはドライピークによるエリア取得に優れていますが、ウェイレイなどは自ら先陣を切ってサイトへ切り込む役割が求められます。
エントリー後の混戦における判断力や対応力に優れていることが、現在の高いレーティングにつながっていると考えられます。

VALORANTにおけるメタの変化は、単なる環境の移り変わりにとどまらず、選手一人ひとりの強みや適性をより鮮明に映し出します。
ヨルという特化型エージェントが環境の中心にいた時代から、より総合力や柔軟性が求められる現在のメタへ ―― その移行は、プレイヤーの本質的な実力を測る新たな基準となりつつあります。
メタの変化は単なる環境の移り変わりにとどまらず、選手の強みや適性を浮き彫りにします。今後のStage 1で、こうした変化がどのようなドラマを生むのか、引き続き注目していきましょう。
なる
24歳のライター。推しのVALORANTプロ選手はkaajakとsato。
ArcaneやChampionsスキンなどの限定スキンに弱く、すぐに課金してしまう癖がある。