Masters Toronto 3位IGL・SiuFatBB加入から約2ヶ月で中国王者へ ─ VCT国際大会初出場のTYLOO、“2025年のNRG”と重ねる声も

2026年8月23日、「VCT 2026: China Stage 2」のGrand Finalが行われ、TYLOOがJD Gaming(以下、JDG)にマップカウント3-1で勝利。VCT China参戦後初となる地域タイトルを獲得しました。
6月26日にWolves EsportsからSiuFatBB選手を獲得してから約2ヶ月。グループステージを4勝1敗で通過したTYLOOは、Playoffsで一度JDGに敗れながらもLower Bracketから勝ち上がり、最終的に中国王者の座までたどり着きました。
さらに、8月22日のBilibili Gaming(以下、BLG)戦に3-0で勝利した時点で「VALORANT Champions 2026」への出場も決定。TYLOOにとってChampions Shanghaiは、MastersやChampionsを含むVCT国際大会への初出場となります。
Redditでは、シーズン終盤に調子を上げてChampions出場を決め、そのまま世界王者となった2025年のNRGと現在のTYLOOを重ねる声も上がっています。

SiuFatBB選手を迎えて臨んだ「VCT 2026: China Stage 2」で、TYLOOはGroup Alphaを4勝1敗の2位で通過しました。唯一の黒星はNOVA Esports戦で、その後のSeed DeciderではXi Lai Gamingに0-2で敗れています。
それでも、Playoffsに入ると再び勢いを取り戻します。
初戦ではTitan Esports Clubを2-0で下したものの、Upper SemifinalでJDGに1-2で敗れLower Bracketへ。敗退まであと1敗となった状況から、All Gamersを2-0、NOVA Esportsを2-0、BLGを3-0で撃破しました。
そしてGrand Finalでは、Upper Bracketで敗れたJDGと再戦。第1マップのロータスを6-13で落としたものの、その後はスプリットを13-7、ブリーズを13-10、サミットを13-2で獲得し、3-1で雪辱を果たしました。
JDG戦でLower Bracketへ回って以降は全勝。マップカウント10-1と、大きく崩れることなく最後まで勝ち切っています。

Champions出場を決めたBLGとのLower Finalでは、slowly選手が3マップ合計71キルを記録。第1マップのサンセットではチェンバー、第2マップのサミットではウェイレイ、第3マップのスプリットではジェットを使用し、シリーズを通してチーム最多のキル数を記録しました。
また、TYLOOはマップごとに特徴的なエージェント構成を採用しています。 BLG戦のサンセットではslowly選手のチェンバーとScales選手のセージを組み合わせ、第2マップのサミットではsplash選手がフェニックス、slowly選手がウェイレイを使用。フィジカルだけでなく、マップに応じた独自の構成も特徴の一つとなっています。
現在のTYLOOをIGLとして率いているのが、香港出身のSiuFatBB選手です。
2021年2月にGriffin E-Sportsへ加入し、その後JiJieHao、Ninjas in Pyjamasを経て 、2024年5月にWolves Esportsへ加入。主にイニシエーターを担当しながらIGLを務めてきました。
そのキャリアの中でも大きな結果を残したのが、2025年の「VALORANT Masters Toronto 2025」です。
Wolves Esportsは初戦でSentinelsに0-2で敗れましたが、そこからTeam Heretics、Bilibili Gamingを2-0で破り、Playoffsへ進出。PlayoffsでもRex Regum Qeon、Gen.Gをいずれも2-0で下しました。
その後Paper Rexに0-2で敗れてLower Bracketへ回り、Lower FinalではFNATICに1-3で敗れたものの、大会3位という結果を残しています。
SiuFatBB選手は2026年6月26日にTYLOOへ加入すると、その約2週間後にはStage 2が開幕。新チームで迎えた最初のVCT大会で、チームを初のVCT China優勝へ導く結果となりました。

TYLOOのStage 2優勝後、海外コミュニティではChampions Shanghaiでの躍進を期待する声も出始めています。
Redditでは、SiuFatBB選手の加入後に調子を上げてChampions出場を決めたTYLOOについて、2025年のNRGと似た流れだとする意見が投稿されました。
2025年のNRGは、「VCT 2025: Americas Stage 2」のPlayoffsでG2 Esportsに敗れてLower Bracketへ回った後、LEVIATÁN、Cloud9、Sentinelsを撃破。Grand FinalではG2 Esportsに敗れたものの、準優勝でChampionsへの出場権を獲得しました。
NRGは2023年にも「VCT 2023: Americas League」で準優勝、「VALORANT Masters Tokyo 2023」で4位に入った実績を持つチームです。一方、2024年はVCT AmericasのStage 1、Stage 2ともにPlayoffs進出を逃し、国際大会には出場できませんでした。
そして2025年、Ethan、s0m、mada、skuba、brawkの5人で挑んだ「VALORANT Champions 2025」では、EDward Gaming、DRX、GIANTX、MIBR、FNATICを破ってGrand Finalへ進出。最後もFNATICとの再戦を3-2で制し、世界王者に輝きました。
シーズン終盤にLower Bracketから勢いをつけてChampions出場を決めたことは、現在のTYLOOと重なる部分があります。
一方で、両チームをそのまま同一視することはできません。
NRGには、Champions優勝経験を持つEthan選手や、Mastersで4位を経験したs0m選手が在籍していましたが、TYLOOにとって、今回が初のVCT国際大会出場となります 。国際経験という点ではSiuFatBB選手の存在が大きい一方、現在のTYLOOが世界各地域のトップチームを相手に同じパフォーマンスを再現できるかは、Championsが始まるまで分かりません。
Redditの同スレッドでも、TYLOOの高い撃ち合い能力やマッププール、SiuFatBB選手の国際経験を評価する意見がある一方で、中国チームが国際大会でどこまで再現性を保てるのか、相手から対策された後のマクロ面や修正力に疑問を呈する声も上がっています。
そのため、「TYLOOが2025年のNRGになる」と見るよりも、現時点では似たストーリーの入口に立っているチームとして捉えるのが適切でしょう。

TYLOOが次に挑む舞台は、9月24日から10月18日にかけて中国・上海で開催される「VALORANT Champions 2026」です。2024年のMasters Shanghaiに続いて世界大会が中国へ戻ってくる形となります。
TYLOOは2024年にVCT Chinaへ参戦して以降、Stage 1ではベスト8、Stage 2では8位。2025年も最高成績はStage 2のベスト6で、2026年もKickoffは6位、Stage 1はベスト6でした。そこからStage 2で初優勝を果たし、初めてVCT Chinaの代表として国際大会へ向かいます。
国内大会で見せた戦い方が他地域のトップチームにも通用するのか、そして大会中に対策が進んだ際にどのような修正を見せるのかは、Champions Shanghaiで初めて試されることになります。
約2ヶ月前まで国際大会出場経験のなかったTYLOOが、SiuFatBB選手を迎えて中国王者となり、今度は地元・上海で世界の強豪へ挑みます。
2025年のNRGのような躍進を再現することになるのか。それとも、世界大会の壁に阻まれるのか。Stage 2終盤で見せた勢いを世界の舞台でも継続できるか、TYLOOの初めての国際大会に注目が集まります。
Champions Shanghai出場を控えるTYLOOのロスターとコーチ陣は以下の通りです。
SiuFatBB
splash
Scales
Erv
slowly
xihe(Substitute)
hypnotizing(Head Coach)
Billyo(Assistant Coach)
sword9(Assistant Coach)
なる
24歳のライター。推しのVALORANTプロ選手はkaajakとsato。
ArcaneやChampionsスキンなどの限定スキンに弱く、すぐに課金してしまう癖がある。