新生ZETAが世界に見せた可能性 ― 大幅に変わったロースターを考察

オフシーズンの熱気

Champions2025が閉幕し、VALORANTは正式にオフシーズンに入りました。しかし、多くのチームが選手の入れ替えや再編成を行うこの時期は、ファンにとって目が離せない期間でもあります。
既にZETA DIVISION(以下ZETA)やFENNELが新ロースターで大会に出場しており、国外でもFnatic、G2 Esportsに加え、現世界王者であるNRGもロースターの変更を発表しています。

そんな中、先日開催されたRed Bull Home Groundでは、VCJで活躍した3名のデュエリスト、eKo、Absol、HoneyBunnyを加えたZETAが、国際大会常連のFnaticとG2 Esportsに勝利。特に、Fnatic相手には13-1と圧勝。日本のファンに多くの希望をもたらす結果となりました。

昨年開催されたオフラインイベント「VALORANT Radiant Asia Invitational」でも、DetonatioN FocusMeがRex Regum Qeon、Paper Rex、Trace Esportsなどの名だたる強豪を次々と撃破し、当時のChampions王者のEDward Gamingまでをも下したという快挙を成し遂げながらも、2025年のリーグ戦では苦戦を強いられました。

この「オフシーズンで強さを見せるも、リーグ本戦では苦戦する」という過去の例から、今後のZETAの活躍に期待しつつも、同じ道を辿るのではないかと不安視する声も上がっています。

なぜ元デュエリスト3名を加えたのか?

前述の通り、今回新加入の3人は前チームでデュエリストを担当していました。
LFTを表明したCLZ選手、TenTen選手の後任として、IGLとデュエリストを1名ずつ補強するのが順当な選択に思われました。しかしZETAは、SugerZ3ro選手をIGLに、HoneyBunny選手をセンチネルに転向させるという、意欲的な新ロースターを選択しました。SugerZ3ro選手は初のIGLながら、例年と比較しても見劣りすることのない高いスタッツを維持しています。

このZETAの判断には、どのような思惑があるのでしょうか。

その答えは、チームが求める「火力」にあると考えられます。ZETAはかねてより、現在のメタである2デュエリスト構成の運用に課題を抱えていました。TenTen選手は優れたデュエリストですが、チーム全体の突破力という点では改善の余地が残る印象でした。
そこで、2デュエリスト構成を前提としたロースターを構築するため、eKo選手とAbsol選手の両名を起用したと推測されます。

eKo選手は、コミュニティでも評価の高いネオン使いであり、撃ち合いの強さ、エントリーの鋭さ、敵のヘイトを引きつける動きなど、メインデュエリストに求められる能力を高いレベルで兼ね備えています。さらにTier1でのプレイ経験も豊富であり、理想的な人材と言えるでしょう。

一方のAbsol選手は、1対1の強さや勝負勘に優れたデュエリストであり、高いクラッチ成功率も魅力です。使用エージェントの傾向から見ても、eKo選手のパートナーとして最適な存在です。今回の大会でも、ヨルを使用したプレイが目立ちました。

では、HoneyBunny選手の起用にはどのような意図があったのでしょうか。今回、彼は本来Dep選手が担当するセンチネル/ヴァイパーの役割を担いました。
これには、HoneyBunny選手を「国際大会の舞台に立たせる」こと自体に大きな意味があったと考えられます。

ZETAは若い選手を積極的に採用し、これからの未来を担うルーキーの育成も重視しているチームです。
実際に、公式ニュースでもこの経験の重要性を強調しています。

有観客で行われる国際オフライン大会という貴重な場に、ZETA DIVISION ACADEMYからHoneyBunnyがDepに代わり出場いたします。

引用:https://zetadivision.com/news/2025/11/12/39416

HoneyBunny選手の将来性を見据え、貴重な国際大会での経験を積ませることが、今回の起用の大きな目的だったのでしょう。

まとめ

最後に、この記事で紹介したメンバーは正式に発表されたロースターではなく、あくまで「Stand-in」としての出場である点には注意が必要です。

しかし、今回のRed Bull Home Groundで見せたパフォーマンスや選手間のシナジーを考慮すると、ZETAがこの構成をベースに新シーズンへ臨む可能性は高いと考えられます。

なお、HoneyBunny選手はDep選手の代役であるため、遅くともVCT 2026 KickoffまでにはDep選手がロースターに復帰すると予想されます。
ZETAは、12月2日から7日にかけて韓国で行われる、「SOOP Valorant League 2025」に出場予定です。

同大会にはPacificリーグのチームに加え、直近のAscensionで活躍したFULL SENSEも出場します。

Red Bull Home Groundでファンを熱狂させたZETAは、次なる舞台でもその輝きを見せることができるでしょうか。

黒瀬

猫となかよく

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