【VCT2026】新時代の幕開け!Kickoffについておさらい、各地域の注目チームはどこ?

2026年最初の公式大会

約3ヶ月にわたるオフシーズンがついに終了し、いよいよ2026年シーズンの幕が上がろうとしています。1月下旬から2月中旬にかけて、各地域でKickoffが開催され、各チームは新たなロスターで最初の目的地である南米・チリを目指します。「Masters Santiago」への切符を掴むのはどのチームなのか。

大きく様変わりした試合形式と、今シーズンの出場条件、そして各地域の注目ポイントをここでおさらいしておきましょう。

泥沼のサバイバル:「トリプルエリミネーション」方式

今年のKickoff最大の特徴は、Riot Gamesが「より多くの試合機会」と「真の実力証明」を掲げて導入したトリプルエリミネーション方式です。

格闘ゲームなどでは稀に見られる形式ですが、VALORANTの公式大会で採用されるのは今回が初となります。その仕組みは少し複雑ですが、観戦する上で覚えておくべきポイントは以下の3点です。

3回負けると敗退

従来のダブルエリミネーションでは「2敗」で即脱落でしたが、勝者側、敗者側の間に位置する第三のブラケットが設けられ、チームは敗北する度に下のブラケットへと移動します。

  1. Upper Bracket

  2. Middle Bracket

  3. Lower Bracket (ここでの敗北により「大会敗退」となります。)

「生き残った3チーム」がMastersへ進出

このトーナメントのゴールは「優勝を決めること」よりも「Masters Santiago行きの3枠を埋めること」です。
前述の3つの各ブラケットを勝ち上がったチームが順次、出場権を獲得していく変則的な進行となり、この3チームが決定した時点でKickoffは終了となります。

2025年のChampions Parisに出場したチームは、シードとして2回戦から戦うことができます。

番狂わせが起きにくい実力主義

この形式の最大のメリットは「結果が実力に強く影響される」ことにあります。
強豪チームであっても、エンジンがかかるのが遅かったり、特定の相手との相性が悪かったりして初戦を落とすことはあります。しかし、今回はそこから2回の挽回チャンスがあります。

逆に言えば、「Mastersに行くチームは、少なくとも3つのブラケットのいずれかを制圧した、文句無しの実力者」ということになります。
試合数も大幅に増えるため、ファンにとっては「推しチームの試合がたくさん見られる」という最高の変更ですが、選手にとっては精神力が削られる、長く険しい戦いになるでしょう。

新たなロスターで挑む日本チーム:試合はいつ?

DetonatioN FocusMe

昨シーズン、驚異的なパフォーマンスで世界を驚かせたMeiyとAkameの強力なデュオを軸に、さらなる攻撃力の強化を図ったDetonatioN FocusMe。
注目はCaedyeとYatsuka。「VCJ 4連覇」という偉業を成し遂げたRiddleを支えた若き才能が、ついにTier1の舞台に立ちます。IGLとしてSSeeSが盤面を支え、新コーチvorzが彼らの手綱をどう握るのか。

来る最初の試合は1月23日の20:00、Gen.G Esportsと対戦予定です。日本の新たな希望は、牙を研ぐ韓国の虎相手にどのような戦いを見せてくれるでしょうか。

ZETA DIVISION

“ZETAの要”SugerZ3roを残し、ロスターを大幅に刷新。

最大のサプライズは、miniの就任でしょう。あくまで補佐的な立ち位置にはなりますが、Fnatic、Paper Rexを支えてきた名将はZETAにどのようなものをもたらしてくれるでしょうか。

選手層も厚くなりました。国内屈指のフィジカルモンスターとして名を馳せたAbsol、eKoの加入、さらにSyouTaが帰還したことで、柔軟かつ強固な布陣が完成しました。

新生ZETAの初陣は、1月22日、20:00より。FULL SENSEと対戦予定です。TALONのメンバーを受け継いだタイの強豪相手に、リベンジを果たせるでしょうか。

VARREL

Ascension優勝により参入枠を獲得したSLT Seongnamは、VARRELとしてPacificリーグに参加します。

公式の配信では「日本チームである」と明言されていたため、ここで紹介します。

チームの核となるのは、国際経験豊富なC1nderとKlaus。彼らのリーダーシップの下、oonzmlp、Zexy、Xunaといったハングリー精神旺盛なプレイヤーたちがどこまで暴れまわるかが鍵となります。

VARRELは1月23日の17:00から、Global Esportsと対戦が予定されています。大きくメンバーを変更したGlobal Esportsに、”最強のチャレンジャー”が喰らいかかります。

VCT Pacificの注目チーム

さて、ここからは、私の視点で各地域の注目チームを取り上げて解説します。まずはPacific、選手の入れ替えが激しく行われた同地域でどのような展開が起こるかに注目です。今回は、常にPacificの優勝候補であり続ける2つの強豪チーム、T1Paper Rexについて紹介します。

T1 

昨シーズンを通じ、Pacificのみならず世界のトップティアとして君臨したT1。昨シーズンはMasters Bangkokで王者となり、Champions Parisにも出場しています。

今年は、強力なコアメンバー4人を残しつつ、Gen.G EsportsよりMunchkinを獲得。更に強化を図ります。
また、長らくヘッドコーチを務めてきたAutumnが離脱、T1 Academyを優勝に導いたコーチ、KDGにバトンが渡りました。

Paper Rex

昨シーズン、敗退寸前のポジションから起死回生を遂げ、Masters Torontoまでをも制した”暴走列車”Paper Rex。
完璧かに思えたロスターを変更し、PatMenの脱退、invyの加入という発表は大きな話題となりました。

invyはTeam Secretに長期間所属し、チームとしての調子が悪い期間も常にトップクラスのスタッツを叩き出していた選手です。
そのパワー溢れるプレイはPaper Rexとの相性も良さそうに見えますが、このロスター変更が吉と出るか、凶と出るか、Paper Rexの初戦に注目です。

VCT Americasの注目チーム

続いて、VCT Americasです。現Champions王者も所属する同リーグでは、今年も激戦が予想されます。今回は、地元開催を狙うブラジルの強豪、それに対抗する北米の赤き軍団を紹介します。じゅう

さらに、今回は各地域2チームずつ列挙していますが、ぜひ注目してほしいチームとして例外的に、もう一つの南米の顔であるアルゼンチンの竜「Leviatan」も合わせて紹介します。

MIBR

今回のKickoffにおいて、最も重圧と期待を背負っているのが南米のチームです。理由はただ一つ、最初のMastersの開催地が「チリ・サンティアゴ」であること。
南米開催のステージに立つため、MIBRも本気を出してきています。

Sentinels時代にMastersのトロフィーも獲得しているzekkenが新たに加入。さらに長く南米を牽引してきたmazino、texをLeviatanから迎え、Aspasとvernoと合流します。
絶対王者Aspas率いる新生MIBRは、間違いなく南米の熱心なファンの期待に応えられるチームとなるでしょう。

Sentinels

もちろん、南米のチーム以外からも目が離せません。世界大会常連であるSentinelsも、また王座を狙っています。
Kyu、reduxx、corteziaの三名を加え、大きく変更したロスターで挑みます。reduxx、KyuはChallengers時代から注目されてきた”期待の新人”であり、Championsで好成績を残したMIBRからcorteziaが移籍。盤石な体制を築きました。

Leviatan

MIBRと同様、アルゼンチンにルーツを持つLeviatanも、地元の熱狂的なファンの前でプレイすることは悲願でしょう。

オフシーズン中にはkiNgg、Satoを残しblowz、neon、spikeziNの3名とOnurコーチが加入。発表後まもなく行われたオフシーズン大会では、EDG、BLG、DRXに勝利し見事優勝を収めました。
サンティアゴのステージを目指し、現在の好調子を維持できるでしょうか。

VCT EMEAの注目チーム

“戦術の魔境”EMEA。緻密なセットアップとアビリティ合わせで相手を完封する美しいVALORANTを見せてくれる地域ですが、その頂点に立つのは、やはりこの2チームでしょう。

Fnatic

世界中のファンから愛され、そして恐れられるFnatic。いまだ塗り替えられない連覇記録を保持する彼らは、もはや優勝候補の一角ではなく、「倒すべきラスボス」です。

しかし、王朝を築いたFnaticにも、大きな変化が訪れました。
Alfajerと双璧をなしたChronicleが突如として脱退、Team Vitalityに移籍しました。Veqajがその穴を埋めるように加入し、ファンに衝撃を与えました。

とはいえ、オフシーズン大会ではキャプテンBoaster不在の中でも好成績を残しているため、油断の許されない相手であるのは間違いありません。

Team Heretics

非常に強力なチームであり、常に優勝候補とされながらも、シルバーコレクターとなっているTeam Heretics。

他4人をそのままに、Minibooと代わる形でGentle MatesからComeBackが加わりました。オフシーズン大会への出場も多くないため、その強さはいまだ未知数ではありますが、今年こそ「勝てない」イメージを払拭せんとするTeam Hereticsに注目です。

VCT Chinaの注目チーム

2024年にEDward GamingがChampions王者となって以来、トロフィーを獲得していないVCT Chinaですが、世界大会ごとに出場チームの顔ぶれが変わる点からはリーグの厳しさが垣間見えます。今回は、来る2026年シーズンに向けてリベンジに燃える2チームを紹介します。

FunPlus Phoenix

以前は常連であった世界大会から、一時姿を消していたFunPlus Phoenix。AAAAYやLife、BerLINといったコアメンバーを残しつつも、変化を取り入れることで補強を図っています。

注目はsScary。かつてBleed Esports時代にAscension優勝を果たし、Tier1でも無類の強さを見せたスモークプレイヤーです。
同チームでの活動を終了すると同時に引退を発表したsScaryでしたが、今回復帰と同時にFunPlus Phoenixへの加入が発表されました。

EDward Gaming

2024年のドラマチックなChampions優勝以来「主人公かつ王者」という印象を人々に強く与え続けているEDward Gaming。
昨シーズンはS1monが脱退した穴を埋めるのに苦戦しているようでしたが、NOVA Esportsからcb、T1からAutumnコーチの移籍後は、本国のオフシーズン大会で好成績を残しており、復活の兆しも見せています。

まとめ

長く静かなオフシーズンが終わり、熱狂の季節がやってきます。

2026年のKickoffは単なる「開幕戦」ではありません。
新導入されたトリプルエリミネーション方式は「真に強いチーム」を決める過酷な試練です。
まぐれでは勝ち抜けない戦いを制した先にあるのは、南米チリで開催される「Masters Santiago」への切符。そしてその道は、年間王者を決める集大成「Champions Shanghai」へと続いています。

ロスターを刷新した日本チームが、世界の強豪相手にどのような戦いを見せてくれるのか。チリの地で、再び日本のチームの姿を見ることができるのか。注目が集まります。

VCT2026: Pacific Kickoffは1月22日に開幕し、初戦であるNongshim RedForce対Team Secret戦は同日17:00より開始予定です。

黒瀬

猫となかよく

share