【日本チームと振り返る】VCT Pacific 2025シーズン総まとめ

VALORANT Champions Tour、通称VCT
毎年開催され、その年で最も強いチームを決める、VALORANTの最高峰の舞台です。

1年を通して行われるこの大会では、毎年たくさんのドラマが生まれます。
勝利の喜び、敗北の悔しさ、思うようにいかない苦しさ。
選手たちはさまざまな感情を胸に、世界の頂点を目指して戦ってきました。

2025年シーズンも例外ではありません。
今年のVCTでも、多くの印象的な瞬間がありました。

本記事では、そんなVCT Pacific 2025シーズンを、日本チームの視点から振り返っていきます。

ここで言う「日本チーム」とは、ZETA DIVISIONDetonation FocusMe の2チームです。

日本シーンである VALORANT Challengers Japan(VCJ)ではなく、
国際シーンである VCT Pacific を中心に紹介します。

なお、VCJについては以下の記事で取り上げています。ぜひ併せてお読みください。

関連記事 王者の貫禄と挑戦の一年 ── VALORANT Challengers Japan 2025 総まとめ

オフシーズン(2024年)

2025年シーズンに向けて、2024年のオフシーズンは日本チームにとって大きなターニングポイントとなりました。
ZETA DIVISION、DetonatioN FocusMeの両チームともに、長年チームを支えてきたメンバーの離脱や、大規模なロスター変更が行われ、新たな体制が整えられました。

ここでは、そんな昨年のオフシーズンを振り返ります。

ZETA DIVISION(ZETA)

ZETA DIVISIONは、2024年シーズンを
Dep / SugarZ3ro / hiroronn / Yuran / Laz
の5名で戦っていました。

2024年8月
Lazが競技シーンを離れ、ストリーマー部門へ移籍することが発表されました。
世界大会で3位を獲得し、日本のVALORANTシーンを大きく前進させてきた象徴的な選手の引退は、多くのファンに衝撃を与えました。

2024年9月
hiroronnとYuranがインアクティブとなることが発表されました。
その後、hiroronnはREJECTへ、YuranはSengoku Gaming(現QT DIG∞)へと移籍し、それぞれ新たな道を歩み始めます。

2024年10月
FENNELからCLZ、SyouTa、Xdll、Johnta(コーチ)が加入しました。

これにより、ロスターは
Dep / SugarZ3ro / CLZ / SyouTa / Xdll
という新体制に刷新されます。
また、XQQがCREATOR部門からヘッドコーチへ転向。
選手・スタッフともに大きく生まれ変わり、2025年シーズンへ向けた体制が整いました。


DetonatioN FocusMe(DFM)

DFMは、2024年シーズンを
Meiy / SSeeS / Anthem / neth / Medusa
の5名で戦っていました。

2024年10月
Anthem、neth、Medusa、そしてコーチのAstellがチームを脱退することが発表されました。
さらに、SSeeSはサブロスターへと移行し、チームは大きな再編の時期を迎えます。

その後、
Art / Akame / gyen / Jinboong
の加入が発表され、Meiyを中心とした新体制が完成しました。
日本シーンで活躍していた選手や競技シーン初参戦の選手などを加える大胆なロスター変更となりました。

新ロスターで臨んだオフシーズン大会「VALORANT Radiant Asia Invitational」 では、DRXやPaper Rexといった強豪を相手に勝利を重ね、決勝へ進出。
決勝のBO5ではPaper Rexに敗れ、惜しくも準優勝となりましたが、チームとしてのポテンシャルを強く印象づける結果となりました。
この大会を通じて、新体制DFMへの期待は一気に高まり、2025年シーズンへ向けて、確かな手応えとともに新たなスタートを切ることとなります。


VCT 2025: Pacific Kickoff

2025年1月に、シーズンの幕開けとなるVCT 2025 Pacific Kickoffが開催されました。

ZETAの初戦の相手は、VCT Ascension Pacific 2024で優勝し、Tier1へ昇格してきたNongshim RedForce(旧SPG)でした。
若手ルーキーを中心とした勢いのあるチームを相手に挑みましたが、この試合は0-2で敗れ、ZETAはローワーブラケットへ回ります。

ローワーブラケットでの対戦相手は、Paper Rex。
これまでPacificで何度も結果を残してきた強豪チームとの対戦となりました。
随所で見せ場を作り、粘り強い戦いを見せましたが、結果は0-2。
ZETAのKickoffはここで終了となりました。

オフシーズンに行われたRed Bull Home GroundやRiot Games Oneでは、T1やLeviatánに勝利(BO1)するなど、チームの可能性を感じさせる試合もありました。
Kickoffでは結果にはつながりませんでしたが、新体制での課題や手応えを得る大会となり、ZETAは次のStage 1へと歩みを進めていきます。

一方、DFMの初戦の相手はRex Regum Qeonでした。

第1マップのアビスでは、エースであるMeiy選手が32キルという圧巻のパフォーマンスを披露。オーバータイムにもつれ込む接戦の末、14-12で勝利を収めます。
しかし、続く第2・第3マップでは思うようにラウンドを重ねることができず、どちらも3ラウンド獲得にとどまり敗北。

結果は1-2と、あと一歩及ばない内容となりました。

それでも、ここからDFMは持ち前の粘り強さを見せます。

ローワーブラケット初戦で対戦したGlobal Esportsには2-0で勝利。
スコアは13-8、14-12とオーバータイムの接戦を制し、要所をしっかりと取り切る試合運びを見せました。
この勝利は、日本チームにとって2025シーズン公式戦初勝利となり、多くのファンに希望を与える一戦となりました。

続くローワーブラケット2回戦の相手は、ZETAを下して勝ち上がってきたPaper Rex。
対ZETA戦では圧倒的な強さを見せていたことから、厳しい戦いが予想されましたが、DFMはそれを覆します。

結果は2-0で勝利。
特に第2マップのパールでは13-1という衝撃的なスコアで制し、日本のみならず、アジア全体に強いインパクトを残しました。

勢いに乗ったDFMの次戦は、韓国の強豪Gen.G。
緻密なマクロを武器とする相手に対し、どのような戦いを見せるのか注目が集まりましたが、結果は両マップとも6-13で敗北。
DFMのKickoffはここで幕を閉じることとなりました。

Kickoffでは惜しくも敗退となったものの、DFMは確かな成長と可能性を示しました。
この経験を糧に、DFMは次なる戦いの舞台、VCT Pacific Stage 1へと臨みます。

最終的なトーナメントブラケットは、以下のような結果となりました。

Grand FinalではDRXがT1を下し、優勝を果たしました。
これまで何度も上位に進出しながら、あと一歩でタイトルに届かなかったDRXにとって、悲願のVCT Pacific初優勝となります。

Kickoff後に開催された世界大会「VALORANT Masters Bangkok」では、Pacificリーグから出場した韓国チーム「T1」が優勝を果たしました。

これにより、2024年にGen.Gが成し遂げたPacificリーグ初の国際大会優勝に続き、Pacificリーグとしては2度目となる国際タイトル獲得となりました。

Pacificリーグ全体のレベルの高さを改めて世界に示す結果となり、同リーグで戦う日本チームにとっても、大きな刺激となる大会となりました。

こうして各チームは次なる戦いであるStage 1に向けて動き出していくことになります。


VCT 2025: Pacific Stage 1

Kickoff、そしてMasters Bangkokを終え、各チームは次なる戦いとなるStage 1に臨みました。

Stage 1では、Kickoffのようなトーナメント形式ではなく、Pacificリーグに所属する全12チームが「Group Alpha」と「Group Omega」の2グループに分かれ、グループ内で総当たり戦を行います。
各グループの上位4チーム、計8チームがPlayoffsに進出し、ダブルエリミネーション形式で優勝を争います。

日本チームは、DFMがGroup Alpha、ZETAがGroup Omegaに振り分けられました。

Group AlphaにはKickoffを制したDRX、
Group OmegaにはMasters Bangkokを制し世界一に輝いたT1が入り、
どちらのグループも序盤からハイレベルな戦いが予想されました。

DFMはStage 1を0勝5敗という結果で終えました。

しかし、内容を見ると決して一方的な試合ばかりではありませんでした。
特にPaper Rex戦ではマップカウント1-1までもつれ込み、第3マップはオーバータイムの末13-15という僅差の敗戦となります。

Paper Rexはこの大会からPatMenを加えた新体制ではありましたが、のちに世界大会を制することになる強豪チームです。
その相手と最後まで互角に渡り合ったこの試合は、DFMがStage2に向けた確かな手応えを掴んだ一戦だったと言えるでしょう。

一方、ZETAはStage 1を2勝3敗という成績で終えました。
このステージでは、エースのDepが左肩の負傷により出場できず、T1 AcademyからTenTenが急遽加入するという、難しい状況での戦いとなりました。

それでもZETAはTeam Secret、TALONに対して2-0で快勝。新体制の中でも、チームとしての完成度と対応力をしっかりと示しました。

Playoffs進出をかけた最終戦の相手はNongshim RedForce(NS)。
勝った方がPlayoffsへ進む大一番となりましたが、結果は1-2で敗北。
NSのラーカーであるMargaretが圧倒的なパフォーマンスを見せ、ZETAは惜しくもStage 1 敗退となりました。

こうして日本の2チームは、惜しくもPlayoffs進出とはなりませんでした。
ただ、世界トップクラスのチームが集うPacificリーグの中に爪痕を残したことも事実です。

Stage 1終了後に行われた世界大会「VALORANT Masters Toronto」では、Paper Rexが新人PatMenとの化学反応を見せ、見事優勝を果たしました。

Masters Bangkokに続き、2大会連続でPacificリーグのチームが世界一に輝く結果となり、Pacificリーグが以下に魔境であるかを改めて示す形となりました。

日本チームにとっても、この経験は決して無駄ではありません。
次なる戦いへ向けてZETA、DFMは歩みを進めていきます。


VCT 2025: Pacific Stage 2

Kickoff、そしてStage 1を戦い抜いた選手たちは、次なる舞台であるStage 2に挑みます。

Stage 2はStage 1と同様に、Pacificリーグの全12チームが2グループに分かれて総当たり戦を行い、Playoffs進出を争う形式で実施されました。

このStage 2は、1年の締めくくりとなる世界大会「VALORANT Champions 2025」への出場権をかけた、非常に重要なステージです。

Championsへの出場権は、

  • Kickoff・Stage 1・Mastersの成績によって与えられるChampionshipポイント上位2チーム

  • もしくはStage 2で上位2位に入ったチーム

に与えられます。

Stage 2開始時点で、日本の2チームはChampionshipポイントをほとんど獲得できておらず、Champions出場のためには、Stage 2で結果を残す必要がある状況 でした。

Stage 2ではZETAとDFMの両チームがGroup Omegaに割り振られました。

同グループには、

  • Masters Torontoを制したPaper Rex

  • Masters Bangkokを制したT1

と、今年の世界大会で結果を残してきたチームが名を連ねており、開幕前から厳しい戦いが予想されていました。

ZETAはStage 2で、BOOM Esportsと Paper Rexに勝利。

特に、世界王者となったばかりのPaper Rexを撃破した一戦は、大きな注目を集め、アジア中に衝撃を与えました。

最終的な成績は2勝3敗。
グループ内順位は5位と、Playoffs進出にはあと一歩届きませんでしたが、強豪相手にも堂々と渡り合えることを証明したステージとなりました。

DFMはStage1からロスターを変更。IGLを担当していたArtをベンチに、SSeeSをメインロスターに加えるという大胆な策を打ちました。その結果、 BOOM Esports、TALONに勝利。
さらに、日本チーム対決となったZETA DIVISION 戦でも勝利を収め、3勝2敗という好成績を残します。

その結果、グループ内4位で、Playoffs進出を果たしました。

Playoffsはローワーブラケットからのスタートとなり、1敗も許されない戦いとなります。DFMの初戦の相手はNongshim RedForce。

最後まで食らいつく展開となりましたが、結果は0-2。
ここでDFMのStage 2は幕を閉じ、VALORANT Champions 2025への挑戦もここで一区切りとなりました。


Stage 2を終えて ― 2026年シーズンへ

今年を振り返ると、日本チームにとってNongshim RedForce(NS)は、シーズンを通して大きな存在だったように感じます。

Kickoffでは、ZETAの初戦の相手として立ちはだかりました。
Stage 1では、Playoffs進出をかけた大一番で、再びZETAの前に現れます。
そしてStage 2では、Playoffsへ進出したDFMの初戦の相手となりました。

振り返ってみると、日本チームにとって重要な局面で対戦した相手は、すべてNSでした。
まさにシーズンを通して向き合い続けた存在と言えるでしょう。

NSは平均年齢がおよそ20歳と非常に若く、Dambiのネオンを軸にしたスピード感あふれるプレースタイルを武器とするチームです。
その勢いと判断の速さは、日本チームにとって何度も難しい課題を突きつけてきました。

一方で、同じくスピードを武器とするPaper Rexに対しては、ZETA、DFMの両チームが、シーズン中に一度は勝利を挙げています。

この結果から、日本チームが速い展開そのものに対応できないわけではないことも見えてきました。

この経験を糧に、次のシーズンでどのような進化を見せてくれるのか。

2026年の日本チームに、あらためて期待が高まります。


ZETA DIVISION|2026年シーズン ロスター

ZETA DIVISIONは、2026年シーズンのロスターをすでに発表しています。

Player
・SugarZ3ro
・Xdll
・eKo
・Absol
・SyouTa

Staff
・XQQ(Head Coach)
・ryota-(Coach)
・mini(Coaching Advisor)

オフシーズン大会 「Red Bull Home Ground」 で大きな可能性を示したeKoとAbsol、そして高い爆発力を持つSyouTaを新たに迎え、ZETA DIVISIONは新体制で2026年シーズンへと挑みます。

一方、DetonatioN FocusMe の2026年シーズンのロスターについては、2026年1月1日に発表される見込みです。

どのようなメンバー構成となるのか、多くの注目が集まっています。


おわりに

VCT Pacificという世界最高峰の舞台で、日本チームは一年を通して挑み続けました。
結果だけを見れば、悔しさの残る場面もありましたが、世界王者を倒し、強豪と互角に渡り合い、確かな成長を示した一年でもあります。

そして迎える2026年シーズン。
新たなロスター、新たな挑戦、そして再び世界を目指す戦いが始まります。

ZETA DIVISION、DetonatioN FocusMe。
日本チームの次なる一歩に、これからも注目していきましょう。





なる

24歳のライター。推しのVALORANTプロ選手はkaajakとsato。
ArcaneやChampionsスキンなどの限定スキンに弱く、すぐに課金してしまう癖がある。

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