テホ、波乱万丈の一年。その勝率や競技シーンでの採用率を振り返る
2025年、VALORANT界で最も話題となった男は誰でしょうか? そう、言うまでもなく、テホです。異論は認めません。そんな彼は、どのようにVALORANTの世界に降り立ち、暴れまわり、そして大人しくなったのでしょうか。主に、競技シーンでの勝率や採用率を追いながら、彼の一年を、一緒に振り返ってみましょう。
コロンビア出身のエージェント、テホ。退役軍人の彼は、多くの兵器を携えイニシエーターとしてやってきます。誘導サルヴォ、スペシャルデリバリー、ステルスドローン、アルマゲドン。他のイニシエーターが鳥や謎動物やノットステルスドローンで戦っているところに、大人の力を見せつけてきたのです。
2025年1月7日、パッチ10.00にて彼は実装されます。すると、そのスキルが如何に凶悪であるのかを全VALORANTプレイヤーに知らしめました。特に無料スキルの誘導サルヴォはとんでもない性能をしていました。3回爆発するミサイルが2発、最大200以上のダメージ、範囲も広く定点いらず、40秒リチャージでエントリーでも防衛でもスパイク周りでも強い、さらにはキルジョイのロックダウン含むセンチネルのアビリティを簡単に破壊できる・・・。筆者の友達Tくんは、なにかと不遇な他のイニシエーターと比べて、その性能をこう評しました。「テホは、イニシエーターの希望であり絶望」と。
それでは、今までのテホの歴史と競技シーンでの使用率などを追っていきましょう。Tier1の競技シーンにおいては、実装からわずか一週間ほどのKickoffトーナメントから使用が解禁されます。つまりそこでテホを採用するならば、一週間しか練習できなかったわけです。にもかかわらず、中国を除く全地域で30%ほどの採用率になりました。その頃多かったレイズやオーメンで40~50%ほど、それを考えると、一週間の練度でそれなりに出していいほどに、キャラパワーがあったと言えるでしょう。もちろん、こんなものでは止まりません。
彼の凶悪さが、どんどん世に知れ渡っていきました。2025年2-3月に開催されたMasters Bangkokでは、ピック率56%で全エージェント中1位を記録します。特にフラクチャーにおいては、驚異のピック率100%!(下記写真) 一方で、この大会を優勝したT1はテホをアビス、フラクチャー以外で使っていませんでした。また、大会後のパッチ10.04にて、誘導サルヴォのダメージが減少、キルジョイのロックダウンが壊せなくなり、少し落ち着くかも?という兆候も見られました。
しかし、全然大丈夫心配無用、その程度で彼の強さは揺らぎません。続くPacific、Americas、ChinaのStage1ではピック率60%超えで首位、EMEAではオーメンに次ぐ2位を記録します。Challengers Japanにおいても、44%でオーメン、ブリーチに次ぐ3位。見ない日はない環境キャラとして君臨し、誰も彼に逆らえなかったのです。
この現状を、神は見逃しませんでした。2025年5月半ば、パッチ10.09にてついに弱体化されます。それも容赦のないものでした。リチャージ削除! 1回1発! 範囲縮小! ドローンとアルマゲドンも値上げだ! はい、確かに彼は少し調子に乗っていました。きっと反省しています。でも、ネオンの方が調子に乗っていたじゃないですか!彼女はまだ走っていますよ! こうしてその輝かしい経歴は、半年で地に落ちてしまったのです。ついでに相方のブリーチも弱体化され、angelなど、多くのプロ選手からも、「さすがにやりすぎでは?」といった声が上がりました。
彼ら(VALORANT開発スタッフ)は、誰もテホを使わなくなると分かっているのか?バランスとはなんだ?リーク情報に間違いがあることを願うよ。テホ環境を楽しんでいたわけではないけれど、エージェントは100人いるわけではないのだから、1人削除するような調整は望ましくない。
They understand that nobody will even think about playing him, right? What is this balancing?
— NAVI ANGE1 (@OfficialANGE1) May 1, 2025
Hope there is some missunderstanding in leaks.
Not like I enjoyed this Tejo meta, but we dont have 100 agents to delete one from the game. https://t.co/GnipJo8yfA
実際のところ、やりすぎだったのでしょうか。弱体化後の競技シーンを見ていて、筆者は「思ったよりピックされるな・・・」と感じました。実際、どれくらいピックされたのか、そして勝率はどれほどだったのか、調べてみました!
調査対象は、VCT Pacific、EMEA、Americas、ChinaおよびAscension Pacificです。テホがピックされたマップ、ピックしたチーム、その勝敗を集計しました。
(China Stage 2でのテホ採用はなし。チーム名は省略形で掲載しています。)

全て合計すると21勝26敗、勝率約45%、ここで注目するべきは、G2 Esports(以下G2)とFNATIC(以下FNC)の存在です。両チームとも今年大きな結果を残したチームです。G2は弱体化後も多くのマップでテホを採用し、12勝7敗、FNCはバインドでしか採用しておらず、5勝3敗。なんとこの2チームは勝ち越しているだけではなく、弱体化後テホの21勝のうち17勝をもぎとっているのです。つまり、G2とFNC以外のチームがテホを使った結果4勝と16敗、チームによって極端に差があることが分かりました。誰でもお手軽に使える強キャラから、チームとしての練度が求められる高難易度キャラになってしまいました。もしG2のtrentがいなかったら、彼は一体どうなっていたのでしょうか。
Challengers Japanではどうだったの? と感じた方もいるかもしれません。Split3のAdvance Stageから数えて、1勝8敗です・・・。
2025年10月15日、大型パッチ11.08が配信されました。イニシエーター、コントローラーのリキャスト時間増加や、武器の調整が行われ、VALORANTが大きく変わりました。ソーヴァやフェイドなどのイニシエーターが持つシグネチャーアビリティは、リチャージ時間が一律で40秒から60秒に変更されました。つまり、リチャージのないアビリティを持つテホやスカイは、相対的に強化されました。しかし、このパッチがあてられる前から、プロシーンにおいては2デュエリスト、1イニシエーター構成が主流でした。コンペティティブでは言わずもがなです。そんな中、テホが輝く日は再び訪れるのでしょうか。弱体化前に愛用していた身としては、それを待ち望むばかりです。
waddle
プレイ歴1年、競技シーン視聴歴5年のファン。好きなチームはGambit。